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感謝を込めて~「時間ですよ」特集

                    最後に追記あります

ご存知の通り、さる11月10日、森光子さんがお亡くなりになりました。
森さんは「時間ですよ」のオーディションで真理さんを見い出しデビューのきっかけをつくってくれた方です。
デビュー後も何かと面倒を見てくださり、真理さんも森さんを第二のお母さんのように慕っていました。特に、3年間のブランクのあと、1979年の復帰の際には森田公一さんとともに力強く後押しをしてくださいました。
真理さん自身もファンクラブ公式サイトにメッセージを発表していますが、私たちファンの立場からも、心から感謝申し上げ、ご冥福をお祈りしたいと思います。

さてそこで今回はそんな感謝の思いも込めて、お二人の出会いの場となった「時間ですよ」の中の数々の名唱、名場面を集めてみました。
紹介する動画は真理さん出演場面を集めたものですが、当然、森さんも登場します。お元気だった頃のあたたかな演技をご覧いただき、森さんを偲んでください。

最初は1971年7月21日放送、第2シリーズの初回、通算第31回、真理さんの初登場場面です。「松の湯」の隣の家の2階の窓辺でギターを弾きながら「恋はみずいろ」を歌います。第35回(7:41~)では「涙から明日へ」を初めて歌っています。

ドラマの中の場面なのでセリフが被ったり、中断されたり、<うた>そのものを聴くには十分な環境ではありませんが、落ち着いた演技を含めて、堂々とした歌いぶりが印象的です。真理さん自身の話では、窓のセットは不安定でとても怖かったということですが、全くそんなことは感じられません。これがテレビで初めて歌うとはとても思えないみごとなうたです。
「涙から明日へ」は早くも真理さん自身のうたになっていて、その後のデュエットの時と違って憂いを含んだような歌い方になっています。またこの時の真理さんの表情も憂いを含んで実に魅力的です。

次は第48回、いよいよ「水色の恋」を初めて歌った場面です。服装もいつもと違って盛装です。

ギターを弾きながら心の赴くままに自在に歌う「水色の恋」は本当に魅力的です。ここには原曲「小さな私」の面影も感じられますね。

次はこの動画です。冒頭第62回の「水色の恋」も味わい深いですが、第65回(6:37~)は第2シリーズ最終回で田舎に帰ることになったマりちゃんとケンちゃんが屋根の上で写真を交換するシーンです。

二人で歌う「涙から明日へ」の中で(写真交換の後)真理さんが歌う「胸に運ぶけれど・・・」の部分の素晴らしさは絶品という他ありません。最後のシーンも微笑ましいですね。

次は1973年の第3シリーズになります。まずその初回、通算第66回では「恋はみずいろ」を歌っていますが、第2シリーズの時と比べると声がキラキラと輝き、表情も成熟して、稀有のうたを聴かせます。
また、第67回(11:20~)では「赤い風船」を歌っています。浅田美代子さんのデビュー曲を真理さんがどう歌ったか、お聴きください。

なぜ、真理さんが「赤い風船」を歌っているのでしょうか。浅田美代子さんは「第2の天地真理」と謳った「時間ですよ」のオーディションで、全国2万人の応募者の中から選ばれた人です。TBSとしては絶対スターにしなければ面目が立ちませんから、当時人気が絶頂にあった真理さんに歌ってもらうことで、「赤い風船」を印象づけようとしたのでしょう。
しかしいきさつはともかく、ここでの真理さんの「赤い風船」は表情もうたも本当に素晴らしいですね。私はこの動画を見て初めて「赤い風船」という歌の良さを知りました。真理さんによるカバーを聴くと、こういうことがよくありますね。

次の動画では冒頭第81回で「若葉のささやき」をセリフによる中断もなく、もちろんギターを弾きながら通して歌っています。

「若葉のささやき」には2つのライブアルバムにそれぞれすばらしい名唱がありますが、ここでの「若葉のささやき」は歌の表情はまだストレートですが、輝くような生命力、命の輝きに満ち、みずみずしい若さが弾ける奇跡のようなうただと思います。真理さんの表情もすごいオーラを放っていて、絶頂期の輝きがうかがえます。

次の2つの動画は連続になっています。第86回は真理さんが主役のストーリーで出ずっぱりです。1日だけの淡い恋の物語(相手はケンちゃんではない)ですが、特に後半の公園のシーンはとても印象的です。また最後は有名な屋根の上のシーンです。



冒頭、真理さんが「この広い野原いっぱい」を歌っていますが、これも「若葉のささやき」と同様、すばらしい名唱です。また屋根の上で二人で歌う「街の灯り」も素敵ですが、次の第87回(8:10~)の「街の灯り」がさらにすばらしいですね。

ご覧いただいたように、「時間ですよ」での真理さんは歌でも表情でも歌番組などとはひと味もふた味も違う魅力を見せてくれます。それは「時間ですよ」が真理さんにとってふるさとのような、気持ちの休まる場であったからではないでしょうか。そういう場がなかったら、こんなに生き生きとした真理さんを見ることもできなかったかもしれません。森光子さんにあらためて感謝したいと思います。



追記  FMシバタ 森光子さん追悼メッセージ

新潟県の地域放送局FMシバタの「ごきげんラジオ769」という番組で、地元の方だけでなく多くの方がリクエストして真理さんの歌が頻繁に(10月8日以来8曲12回)かかっていることをご存知の方は多いと思います。しかし残念ながらFMシバタはまだインターネットで聴くことができません。したがって他地域の方はリアルタイムで聴くことができないのですが、録音で聴くことはできます。11月5日の真理さん誕生日の様子は「もの想う季節」で紹介されていますのご覧下さい。
そして11月19日の「ごきげんラジオ769」では森光子さんへの追悼メッセージが読まれ「水色の恋」がかけられましたが、どんな様子か録音でお聴きください。




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日本の母・森光子さんと家族週間

ひこうき雲さん!

掲載していただいて,どうもありがとうございました!
FMシバタごきげんラジオ769では,日本のお母さん・森光子さんと今月18〜24日の家族週間をからめて、家族について、優しさについて、思いやりについてとても良いことが語られていました。
なんとか今週中に間にあうようにと願っていました。
掲載していただいて本当にうれしいです。
自分のブログを立ち上げてそこにアップしてもいいのですが、そうするよりも、ひこうき雲さんやスリーピーさんのブログように、真理ちゃんに関わる事がらを扱ってこられた方のブログに紹介していただいた方が,ファンの繋がりが確認できてずっと好ましいと思っています。
また、投稿された方のお名前が読み上げられることでその方の励みにもなると思います。
これからもよろしくお願いします。
FMシバタのサイマルラジオ化については今少し,猶予を下さい。
もうすぐです!

Re: 日本の母・森光子さんと家族週間

1,2の3ちゃんさん
コメントありがとうございます。

FMしばたはFM軽井沢と並んで日本一、真理さんの曲がかかる放送局になっていますね。
FM軽井沢はいわば公式番組ですが、FMしばたは皆さんのチカラでこういう状況を実現されたわけですから、本当に素晴らしいと思います。何より1,2の3ちゃんさんの行動力のおかげです。
愛恵さんは真理さんをこれまでほとんど知らなかった世代の方だと思いますが、放送の中ではすっかり馴染みのように呼んでおられますね。そんな状況を日本中でつくれたら、と夢が広がります。
私を含めて、それぞれのところで頑張りたいですね。

ひこうき雲さんの“番組”に感謝

はじめておじゃまします。こういうふうに番組みたいにしていただくのはありがたいと思いました。前回の「天地真理誕生日スペシャル」もすばらしく、新たな感慨がありました。YouTubeなどで自分で選んで聞くのもいいのですが、ラジオみたいに聞けるのは真理さんが盛んにテレビに出ていらした時のようでもあり、また人に案内されるのも楽しいものですね。また時々拝見に伺います。

Re: ひこうき雲さんの“番組”に感謝

春光千里さん
コメントありがとうございます。

直接お話(?)するのは初めてですが、すてきな短歌などよく拝見しています。
お出でいただきありがとうございます。

真理さんの動画は、私が見始めた頃はまだまだ少なくてみんな覚えていましたが、今やどれぐらいあるかわからないような状態です。最近見始めたという人は、知らない動画がたくさんあると思うのです。ヒット曲なら検索で見つけられますが、前々回の「母」のように曲自体を知らないということさえあると思います。そこで始めたのが「秘蔵ライブ」シリーズです。「時間ですよ」はDVDが発売されているので「秘蔵」ではないのですが、どこで何を歌っているのかわかりにくいので、まさに“道案内”のようなつもりでつくってみました。
しかしつくる過程では、あまりに楽しいのでミイラ取りがミイラになってしまい、目当ての曲だけでなく全部通して見てしまいました。

これからもお気軽にお立ち寄りください。


演技者としての天地真理

こんにちは、bellwoodです。
森光子さんは、まさしく芸能人「天地真理」の生みの親であり、ファンのひとりとして感謝の念に堪えません。真理さんの非凡な才能を見抜いて世に送り出してくださった森さんの慧眼には、改めて敬意を表したいと思います。心よりご冥福をお祈りいたします。

恐らくは真理さんが歌手志望であったことから、「となりのマリちゃん」が“歌の好きな女の子”という設定となり、毎週のようにギター弾き語りを披露することができたのは、彼女にとって理想的なデビューだったと言えるでしょう。おかげで私たちも、こうして今でも真理さんのデビュー期と絶頂期の貴重な名唱を視聴できるわけですからありがたいですね。

ところで演技者としての真理さんはどうかというと、彼女の歌がそうあるように決して大げさな表現は感じられませんが、実に細やかな表情やしぐさを見ることができます。「時間ですよ」の出演シーンにおいても、随所にハッとするようないい演技や表情がありますね。
それでは彼女が女優として当時どのように評価されていたか、「キネマ旬報」に掲載された2本の主演映画の映画批評から、真理さんに関する記述を抜粋してご紹介したいと思います。

■虹をわたって 小藤田千栄子
「ちいさな恋」が中詰で歌われるが、この歌の持つ、なんとも言えない、あのステキな軽さそのままに、天地真理は、なべおさみ、谷村昌彦、武智豊子といった、まあ、かなりの悪達者にかこまれて、流れるような好演をみせる。そして時として、とてもいい表情をみせることさえある。彼女に演技者としての素質があるのか、あるいはテレビ育ちの歌い手さんが最低限度持ちあわせている芝居心とでも言うべきものなのか、私にはわからない。

■愛ってなんだろ 田山力哉
天地真理という歌手は、映画に出ても、新鮮な明るさがあり、感情の表現が自然で生き生きして女優としてもなかなかいい素質を持っていると思う。前に「虹をわたって」で天地を初めて主演させた松竹の前田陽一監督が、「ちょうどデビューしたころの岩下志麻みたいな感じだ」と評していたが、なるほどそんな感じもあるかもしれない。

小藤田さんの方はまだ手探りの評という感じがありますが、当時の評論家も真理さんの演技に光るものを認めていたことが分かりますね。私は最近、20才の岩下志麻さんが出演している映画「好人好日」を観たのですが、その純情可憐な美しさに前田監督の言葉を思い出してなるほどと感じ入りました。
以上、長々と失礼いたしました。

懐かしき場面ありがとう

ひこうき雲さん、お久しぶりです。熊五郎です。
時間ですよで真理ちゃんのファンになった私としては森光子さんが
亡くなられたことは、とても悲しくぽっかりと穴が空いたようです。
私の母も90歳で健在です。母と2歳違いです。
時間ですよの名場面をご紹介していただき誠にありがとうございます。
その当時のことが走馬灯のように思い出されます。

Re: 演技者としての天地真理

bellwoodさん
コメントありがとうございます。
2つの映画評は初めて見ました。教えていただきありがとうございました。

当時私は「時間ですよ」はあまり見ていなかったのです。
ですから、真理さんが窓辺で歌ったうたがこんな名唱ぞろいとは思いませんでした。
また、演技もこんなにうまかったとは知りませんでした。
やはり真理さんは「時間ですよ」で一番のびのびでき、それが生き生きしたうたや演技になったのでしょう。
「時間ですよ」のチームはひとつの家族のようなもので、みんなが頼るお母さんが森さんだったのですね。

Re: 懐かしき場面ありがとう

熊五郎さん
コメントありがとうございます。

私は当時大学生で、帰省したとき、母が「時間ですよ」が好きで一緒に見ていました。そのとき周囲から浮き出たような女性がいたことは記憶に残りました。あとになってそれが天地真理さんだったと知ったのですが、歌を歌っていた記憶はありません。今見ると、歌わない回もありますからそういう時だったのでしょう。
母のおかげで真理さんと初めて出会うことができたのですが、その母もすでに他界しました。
熊五郎さんのお母様はお元気な様子、さらなるご健勝をお祈りいたします。

赤い風船

 赤い風船は、もともと真理さんのイメージに、ピッタリの歌で、すばらしいですね。
 
 この曲は、浅田美代子の代表曲になってしまいましたが、真理さんの歌唱力とは、全く比較になりません。

 久世氏は、浅田美代子の歌の作詞を担当するなど、完全ど素人の彼女を芸能人として育てたようですが、真理さんは、デビュー当時から、歌手としては、ほぼ完成しておりましたので、どのプロデューサーからも育てられる必要はなかったように思いますね。 

Re: 赤い風船

chitaさん
コメントありがとうございます。

真理さんは高校3年の時にはフォークコンサートに出演していましたし、翌年にはヤマハの作曲コンクール(ポプコンの前身)でそうそうたる歌手たちに混じって歌っていました。その経緯の中でソニーのディレクターに見出されソニーとの歌手としての契約が既に出来ていたのです。
だから歌手としてのキャリアもかなりあり、「時間ですよ」初出演場面でも堂々と歌うことができたのですね。
ですから真理さんは久世さんが育てた歌手ではありませんが、久世さんと「時間ですよ」で出会ったことは真理さんにとってとても大事な意味をもっていますね。

こんにちは

青鬼です。

森光子さんの死去本当に残念です。
皆さんそれぞれに思い出があると思いますが真理さんファンの
私たちにとってはお母さんそのものでした。
最後は親族だけに看取られ、葬儀も近しい方だけでいとなまれ・・・。
最後まで森さんらしい気遣いですね。
ご冥福お祈りいたします。

久しぶりに「時間ですよ」での真理さんの登場シーン拝見しました。
ひこうき雲さんの心温まるメーッセージ、貴重な映像ありがとうございます。
このドラマは毎週家族で楽しみにして観ていましたが、入浴シーンでは
バツが悪い雰囲気になった事を覚えています。

真理さんの初出演シーンは良く覚えています。
当時、私は中学生でしたが頭をバットで殴られたような決してオーバーではなく
そのくらいの衝撃がありました。
キャッチフレーズの「白雪姫」がピッタリな、どこから見ても否の打ち所がないアイドルでした。
それからはテレビは勿論、雑誌・レコード、ラジオなどは真理さんが出てるものは出来る限り見聞きしたり買ったりしスクラップしていました。
懐かしい限りです。

Re: こんにちは

青鬼さん
コメントありがとうございます。

青鬼さんは真理さんの初登場シーンを見ておられたのですね。しかもよく覚えておられる。
意外とそういう方はネットで見ていても多くはないのですね。いわば歴史的瞬間に立ち会ったということで、本当によかったですね。

「頭をバットで殴られたような」という言葉、どこかで聞いたような?と思ったら思い出しました。実は最近ちょっと必要があって「くも膜下出血」について調べたところ、その症状として「頭をバットで殴られたような」痛みというのが出ていました。
「くも膜下出血」といえば生死に関わりますが、それに匹敵する衝撃ということですね。
(高齢者向け話題のようになってしまってすみません)
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