天地真理オリジナル・ミュージック・コレクション
実はほかのテーマで更新するつもりだったのですが、ちょうど『天地真理オリジナル・ミュージック・コレクション』が届いたので、少し触れたいと思います。
『天地真理オリジナル・ミュージック・コレクション』は天地真理ファンクラブ発行で5曲が収録されています。その第1曲は天地真理さん自身の作曲で「子守唄 母の愛」、2~5曲はファンクラブ会報のタイトル「ミモザ便り」「バラ便り」「イチョウ便り」「風花便り」の名前の元になった「ミモザの花咲くころ」「白いバラの道」「レイン・ステイション」「風花のさよなら」の4曲です。
いずれもインストルメンタルのみのイージーリスニングとして有木竜郎さんによりアレンジされたもので、歌はありません。
デザインおよびイラストは娘さんの青木真保さんによるもので、淡い色調でファンタジクな感じでありながら格調もありこのCD,特に真理さんの「子守唄 母の愛」の曲調を感じさせる素敵なものです。各曲の歌詞につけられたイラストも魅力的です。
詳しくは「天地真理オフィシャル・ウェブサイト」をご覧ください。
実際に聴いた感想を簡単に述べると、「子守唄 母の愛」はとても美しい曲です。最初のピアノ演奏の部分が真理さんの原曲だと思いますが、タイトルどおり幼子をいつくしむお母さんのやさしさがしみじみと滲んでくるような旋律です。
真理さんは2曲の子守唄を録音として残しています。ひとつは映画「虹をわたって」の一場面で歌われた「ママの子守唄」。映画を見た方はお分かりと思いますが、ご覧になっていない方はYoutubeでも見る(聴く)ことができますのでぜひご覧になってください。真理さんがギターを弾きながらこの歌を歌うと港湾労働者の荒くれ男たちがしんみりと聴き入るという場面です。子どもの頃に帰ってやさしかったお母さんを思い浮かべているのでしょうか。
もうひとつは最初のライブ盤「天地真理オンステージ」に収録されている「愛する人に歌わせないで」です。この曲は森田公一さんの作詞作曲で森山良子さんが歌って世に出た曲です。戦死した幼子の父(夫)を語ることで戦争の無残を歌った曲で子守唄のかたちをとった反戦歌と言えます。森山良子さんはそうした面を強く出して劇的に歌っています。一方天地真理さんはあくまで子守唄としてやさしく愛情に満ちた歌い方をしています。そしてそのような親子の愛があるからこそ最後の訴えが心に響くのです。(詳しくは本編をご覧ください)
今回の真理さん自身の作曲による子守唄も、この2つの子守唄の表現と同じように、我が子への深い愛情を感じさせるやさしく美しいメロディーになっています。そして子守唄という性格上、そのままでは単調になりかねないところを有木竜郎さんが素晴らしいアレンジをしてくれて真理さんがイメージしていた通りの格調もありやさしく愛情に満ちた曲になったのではないでしょうか。有木竜郎さんのすぐれたセンスと技量を讃えたいと思います。
他の4曲も楽しめました。私の場合、どうしてもオリジナルのイメージが頭の中にあるので、最初はちょっと違和感を感じました。しかし、一度リセットして聴き直すと、とてもよくできていて楽しめました。
有木さんはとても若い方ですが、狭い意味での今風とは限らない幅広い作風を持っておられるようですね。もちろんオリジナルと比較した場合、若いセンスを感じることはいろいろあります。全体的に、オリジナルに比べ享楽的な感じがします。享楽的と言うとあまりいい意味で使われないかもしれませんが、ここではいい意味で使っています。つまり軽やかに人生を楽しむというような意味です。たとえば「ミモザの花の咲く頃」はオリジナルがウィーンのワルツだとすればこちらはパリのワルツのような華やぎがあります。また、有木さんの新しいアレンジと比較すると、オリジナルはどこか一途な感じがします。それは、たとえば「白いバラの道」や「レイン・ステイション」を聴くとわかると思います。逆に言えば、この新しいアレンジはイージーリスニングという性格づけもあると思いますが、あまり”物語”をつくらず、軽やかに楽しめるものになっています。ただ「風花のさよなら」はちょっと重いかな、という気がします。最初のところでオルゴール風なところがありますが、そんな感じで通してもらった方が私としてはよかったと思いますが・・・。ひとつだけ「惜しいな」と思うところです。
いずれにしても若い感性で真理さんの歌が新しい活力を得られたことはうれしいことです。このような企画を考え、CDとして製作し提供してくださった、真保さんはじめ事務局の皆様のご尽力に感謝したいと思います。
アーカイブ(過去記事)へ 「空いっぱいの幸せ」へ
コメントは掲載までに多少時間がかかることがあります。しばらくお待ちください。
『天地真理オリジナル・ミュージック・コレクション』は天地真理ファンクラブ発行で5曲が収録されています。その第1曲は天地真理さん自身の作曲で「子守唄 母の愛」、2~5曲はファンクラブ会報のタイトル「ミモザ便り」「バラ便り」「イチョウ便り」「風花便り」の名前の元になった「ミモザの花咲くころ」「白いバラの道」「レイン・ステイション」「風花のさよなら」の4曲です。
いずれもインストルメンタルのみのイージーリスニングとして有木竜郎さんによりアレンジされたもので、歌はありません。
デザインおよびイラストは娘さんの青木真保さんによるもので、淡い色調でファンタジクな感じでありながら格調もありこのCD,特に真理さんの「子守唄 母の愛」の曲調を感じさせる素敵なものです。各曲の歌詞につけられたイラストも魅力的です。
詳しくは「天地真理オフィシャル・ウェブサイト」をご覧ください。
実際に聴いた感想を簡単に述べると、「子守唄 母の愛」はとても美しい曲です。最初のピアノ演奏の部分が真理さんの原曲だと思いますが、タイトルどおり幼子をいつくしむお母さんのやさしさがしみじみと滲んでくるような旋律です。
真理さんは2曲の子守唄を録音として残しています。ひとつは映画「虹をわたって」の一場面で歌われた「ママの子守唄」。映画を見た方はお分かりと思いますが、ご覧になっていない方はYoutubeでも見る(聴く)ことができますのでぜひご覧になってください。真理さんがギターを弾きながらこの歌を歌うと港湾労働者の荒くれ男たちがしんみりと聴き入るという場面です。子どもの頃に帰ってやさしかったお母さんを思い浮かべているのでしょうか。
もうひとつは最初のライブ盤「天地真理オンステージ」に収録されている「愛する人に歌わせないで」です。この曲は森田公一さんの作詞作曲で森山良子さんが歌って世に出た曲です。戦死した幼子の父(夫)を語ることで戦争の無残を歌った曲で子守唄のかたちをとった反戦歌と言えます。森山良子さんはそうした面を強く出して劇的に歌っています。一方天地真理さんはあくまで子守唄としてやさしく愛情に満ちた歌い方をしています。そしてそのような親子の愛があるからこそ最後の訴えが心に響くのです。(詳しくは本編をご覧ください)
今回の真理さん自身の作曲による子守唄も、この2つの子守唄の表現と同じように、我が子への深い愛情を感じさせるやさしく美しいメロディーになっています。そして子守唄という性格上、そのままでは単調になりかねないところを有木竜郎さんが素晴らしいアレンジをしてくれて真理さんがイメージしていた通りの格調もありやさしく愛情に満ちた曲になったのではないでしょうか。有木竜郎さんのすぐれたセンスと技量を讃えたいと思います。
他の4曲も楽しめました。私の場合、どうしてもオリジナルのイメージが頭の中にあるので、最初はちょっと違和感を感じました。しかし、一度リセットして聴き直すと、とてもよくできていて楽しめました。
有木さんはとても若い方ですが、狭い意味での今風とは限らない幅広い作風を持っておられるようですね。もちろんオリジナルと比較した場合、若いセンスを感じることはいろいろあります。全体的に、オリジナルに比べ享楽的な感じがします。享楽的と言うとあまりいい意味で使われないかもしれませんが、ここではいい意味で使っています。つまり軽やかに人生を楽しむというような意味です。たとえば「ミモザの花の咲く頃」はオリジナルがウィーンのワルツだとすればこちらはパリのワルツのような華やぎがあります。また、有木さんの新しいアレンジと比較すると、オリジナルはどこか一途な感じがします。それは、たとえば「白いバラの道」や「レイン・ステイション」を聴くとわかると思います。逆に言えば、この新しいアレンジはイージーリスニングという性格づけもあると思いますが、あまり”物語”をつくらず、軽やかに楽しめるものになっています。ただ「風花のさよなら」はちょっと重いかな、という気がします。最初のところでオルゴール風なところがありますが、そんな感じで通してもらった方が私としてはよかったと思いますが・・・。ひとつだけ「惜しいな」と思うところです。
いずれにしても若い感性で真理さんの歌が新しい活力を得られたことはうれしいことです。このような企画を考え、CDとして製作し提供してくださった、真保さんはじめ事務局の皆様のご尽力に感謝したいと思います。
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