秘蔵ライブ(1) 恋と海とTシャツと
今年は気候が行ったり来たりでなかなか春らしくなりませんが、4月になって新しい年度が始まるのに合わせて、新しいシリーズを始めようと思います。名づけて「秘蔵ライブ」シリーズです。
昨年、本編「空いっぱいの幸せ」でプレミアムボックスに収録されている公式音源の全曲について寸評を完成しました。
しかし、Youtubeにはそこに含まれないたくさんの音源がUPされています。それは個人がテレビやラジオから録音したものがほとんどですが、中にはコンサートの会場内で録音されたと思われるものもあります。
真理さんの全盛期には家庭用ビデオテープはまだあまり普及していませんでしたから、それらは音だけを録ったものですが、ごくわずかですが動画も存在します。
いずれにしてもそれらはすべて、その場で歌っているライブ録音です。真理さんがライブにおいていかに生き生き歌っているか、レコード(CD)においても2つのライブ盤が証明しているとおりです。
とは言え、YoutubeにUPされているのはほとんどが日常的な歌番組などの録音です。ほぼ毎日のように出演していたそのような番組で、常に録音用コンサートのような緊張感を持続させることは難しいでしょう。ですから、これらの録音には明らかに喉が不調なもの、集中力に欠けているもの、歌詞を何度もまちがえているものなど、本人からすればあまり公開してほしくないものもあるかもしれません。(ただそうした録音でさえ、聴く者を捉えてしまう独特の楽しさはあるのです。)
しかし一方で、公式音源に匹敵する、あるいは公式音源をしのぐ素晴らしい録音がたくさんあります。
ただ、そうした音源(動画)があまりに増えてしまったために、どういうものがあるか、何年も継続してYoutubeを見ている人はわかるでしょうが、最近見るようになった人にはわかりにくくなっているのではないかと思います。そこで私が特に聴いてほしいと思うものを順次紹介していこうと思います。
第1回は「恋と海とTシャツと」です。
この曲はよく「恋する夏の日」の”二番煎じ”と言われます。たしかに同じリゾートソングであり、メロディーやアレンジなど曲想が実によく似ています。違いは舞台が高原か海岸かということぐらいですが、それさえ歌詞をしっかり聴かなければわからないでしょう。しかし実際はこの曲の方がニュアンスの豊かさにおいて際立っているのです。
「恋する夏の日」は「ひとりじゃないの」に次ぐ大ヒット曲であり、今でもテレビに登場する回数は一番多いと思いますし、派手な振りもつくので物まねの対象にされる(実際は似ても似つかないのですが)ことも多い曲です。しかし、こういう絵にかいたような明るく元気な曲というのは真理さんの歌としてはむしろ例外的です。
真理さんの歌は湧きあがるような生気を持ちながら、透明なはかなさのようなものを感じさせもするのです。そしてそれがいまそこに歌が生まれたばかりのようなみずみずしさをもたらすのです。
そういう真理さんのうたの最高の現れがこの曲だと私は思っているのです。
シングルバージョンでもそれはしっかり聴きとれるのですが、私にはあるテレビ番組で聴いた奇跡のようなうたが忘れられません。特に「白い雲」から後の真っ青な天空に吸い込まれていくような感覚は私の脳の中にしっかりと記憶されています。私がこの曲をいつもシングルのベストにあげるのはこの記憶のためです。しかしその番組名は記憶になく、今までのところYoutubeにも登場していません。しかしhirohisiさんがUPしてくださっているこの録音はそれとは少し違うが生気がはじける名唱です。声はやや上ずった声ですし、テンポが少し速くてもう一面であるはかなさはあまり感じられないのですが、それを補って余りあるよろこびがあります。こんなうたを聴いたら「もう何もいらない」という気になります。
今日は4月1日、「シリーズ」などと名づけたものの、もしかするとエイプリルフールになるかもしれませんが・・・。
紹介します
NHKFM「ミュージックプラザ」(月曜日 16:00~17:20)、今月は16日が「同名異曲の昭和歌謡」、23日が「空(そら)の昭和歌謡」という特集になっています。もちろん特集以外のリクエストもできます。
アーカイブ(過去記事)へ 「空いっぱいの幸せ」INDEXへ
コメントは掲載までに多少時間がかかることがあります。しばらくお待ちください。
昨年、本編「空いっぱいの幸せ」でプレミアムボックスに収録されている公式音源の全曲について寸評を完成しました。
しかし、Youtubeにはそこに含まれないたくさんの音源がUPされています。それは個人がテレビやラジオから録音したものがほとんどですが、中にはコンサートの会場内で録音されたと思われるものもあります。
真理さんの全盛期には家庭用ビデオテープはまだあまり普及していませんでしたから、それらは音だけを録ったものですが、ごくわずかですが動画も存在します。
いずれにしてもそれらはすべて、その場で歌っているライブ録音です。真理さんがライブにおいていかに生き生き歌っているか、レコード(CD)においても2つのライブ盤が証明しているとおりです。
とは言え、YoutubeにUPされているのはほとんどが日常的な歌番組などの録音です。ほぼ毎日のように出演していたそのような番組で、常に録音用コンサートのような緊張感を持続させることは難しいでしょう。ですから、これらの録音には明らかに喉が不調なもの、集中力に欠けているもの、歌詞を何度もまちがえているものなど、本人からすればあまり公開してほしくないものもあるかもしれません。(ただそうした録音でさえ、聴く者を捉えてしまう独特の楽しさはあるのです。)
しかし一方で、公式音源に匹敵する、あるいは公式音源をしのぐ素晴らしい録音がたくさんあります。
ただ、そうした音源(動画)があまりに増えてしまったために、どういうものがあるか、何年も継続してYoutubeを見ている人はわかるでしょうが、最近見るようになった人にはわかりにくくなっているのではないかと思います。そこで私が特に聴いてほしいと思うものを順次紹介していこうと思います。
第1回は「恋と海とTシャツと」です。
この曲はよく「恋する夏の日」の”二番煎じ”と言われます。たしかに同じリゾートソングであり、メロディーやアレンジなど曲想が実によく似ています。違いは舞台が高原か海岸かということぐらいですが、それさえ歌詞をしっかり聴かなければわからないでしょう。しかし実際はこの曲の方がニュアンスの豊かさにおいて際立っているのです。
「恋する夏の日」は「ひとりじゃないの」に次ぐ大ヒット曲であり、今でもテレビに登場する回数は一番多いと思いますし、派手な振りもつくので物まねの対象にされる(実際は似ても似つかないのですが)ことも多い曲です。しかし、こういう絵にかいたような明るく元気な曲というのは真理さんの歌としてはむしろ例外的です。
真理さんの歌は湧きあがるような生気を持ちながら、透明なはかなさのようなものを感じさせもするのです。そしてそれがいまそこに歌が生まれたばかりのようなみずみずしさをもたらすのです。
そういう真理さんのうたの最高の現れがこの曲だと私は思っているのです。
シングルバージョンでもそれはしっかり聴きとれるのですが、私にはあるテレビ番組で聴いた奇跡のようなうたが忘れられません。特に「白い雲」から後の真っ青な天空に吸い込まれていくような感覚は私の脳の中にしっかりと記憶されています。私がこの曲をいつもシングルのベストにあげるのはこの記憶のためです。しかしその番組名は記憶になく、今までのところYoutubeにも登場していません。しかしhirohisiさんがUPしてくださっているこの録音はそれとは少し違うが生気がはじける名唱です。声はやや上ずった声ですし、テンポが少し速くてもう一面であるはかなさはあまり感じられないのですが、それを補って余りあるよろこびがあります。こんなうたを聴いたら「もう何もいらない」という気になります。
今日は4月1日、「シリーズ」などと名づけたものの、もしかするとエイプリルフールになるかもしれませんが・・・。
紹介します
NHKFM「ミュージックプラザ」(月曜日 16:00~17:20)、今月は16日が「同名異曲の昭和歌謡」、23日が「空(そら)の昭和歌謡」という特集になっています。もちろん特集以外のリクエストもできます。
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