小説『マリちゃん』(1)
『マリちゃん』という小説を知っていますか。今年の7月末に幻冬舎から発売されました。割と大きな新聞広告で「70年代、一世を風靡したアイドルを襲った大スキャンダル。彼女はどこへ消えたのか・・・?」というコピーがついていました。「70年代に一世を風靡したアイドル、マリちゃん」といえば当然、天地真理さんを考えます。そして、「大スキャンダル、彼女はどこへ消えたのか」と続くと、あの“奇行”と3年間の“休養”を連想してしまいます。というわけで、早速買って読みました。
読んでみると、もちろんフィクションですから天地真理さんそのものというところはないのですが、なんとなくそう思わせるところがかなりあります。主人公の本名は阿部慶子ですが、デビューに当たって阿部麻里亜という芸名を与えられます。これが「マリちゃん」です。“アベマリア”というのはすごい名前ですが、頭文字をとるとAMですから天地真理さんと同じです。(天地真理さんも「テンチシンリ」と読むとすごい名前です)
また、6歳からピアノを始め、ソルフェージュも習ってクラシックの発声を身に付けた、というところも似ています。また、歌手デビューと同時にテレビドラマに出演、というのも似た状況です。ただし、こちらのマリちゃんは新人ですぐ主演というありそうにない設定なのですが、そのドラマのタイトルが『交番のマリちゃん』で町内の人々とのほのぼのとしたドラマとくると、これも「二階の真理ちゃん」を連想させます。そしてそのドラマのディレクターが「ミスター芸術祭」と異名をとる名物ディレクターで、作詞も手掛け、このマリちゃんのデビューシングルのB面の作詞もしている、となると久世さんのイメージが浮かんできます。しかもこのディレクターと女性脚本家が深い関係、となると(もちろんこの小説に描かれているのとは全く異なるのですが)久世さんと向田邦子さんという『時間ですよ』のコンビを連想させるのです。
というように、『マリちゃん』という小説はまちがいなく天地真理さんのイメージがあって生まれた作品でしょう。実際、作者の三田完という人は、1956年生まれ、真理さんの全盛期に高校3年間がぴったり重なるという世代です。慶大卒業後、NHKでディレクター、プロデューサーとして主に歌謡番組を担当し、その後もテレビ関係、音楽関係の仕事をしてきたということですから、こういう世界に通じた人でもあります。『プレイバック 70~80年代のスター群像を創り上げたスーパー・プロデューサー酒井政利の輝跡』という本も編集していますから酒井さんともチャンネルがあるのでしょう。小説家としては「オール読物新人賞」を受賞、直木賞の候補にもなっています。ともかく、真理さんの全盛期とその後を(どの程度かはわかりませんが)知ることができた人と考えられますから、あえて『マリちゃん』というタイトルをつけたということはそういう意図があってのことだと思います。
※ 書きかけですが今回はここまでです。あまり更新しないと何のため
にブログにしたのか分からなくなりますから、少しずつ書きたして
いきます。
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読んでみると、もちろんフィクションですから天地真理さんそのものというところはないのですが、なんとなくそう思わせるところがかなりあります。主人公の本名は阿部慶子ですが、デビューに当たって阿部麻里亜という芸名を与えられます。これが「マリちゃん」です。“アベマリア”というのはすごい名前ですが、頭文字をとるとAMですから天地真理さんと同じです。(天地真理さんも「テンチシンリ」と読むとすごい名前です)
また、6歳からピアノを始め、ソルフェージュも習ってクラシックの発声を身に付けた、というところも似ています。また、歌手デビューと同時にテレビドラマに出演、というのも似た状況です。ただし、こちらのマリちゃんは新人ですぐ主演というありそうにない設定なのですが、そのドラマのタイトルが『交番のマリちゃん』で町内の人々とのほのぼのとしたドラマとくると、これも「二階の真理ちゃん」を連想させます。そしてそのドラマのディレクターが「ミスター芸術祭」と異名をとる名物ディレクターで、作詞も手掛け、このマリちゃんのデビューシングルのB面の作詞もしている、となると久世さんのイメージが浮かんできます。しかもこのディレクターと女性脚本家が深い関係、となると(もちろんこの小説に描かれているのとは全く異なるのですが)久世さんと向田邦子さんという『時間ですよ』のコンビを連想させるのです。
というように、『マリちゃん』という小説はまちがいなく天地真理さんのイメージがあって生まれた作品でしょう。実際、作者の三田完という人は、1956年生まれ、真理さんの全盛期に高校3年間がぴったり重なるという世代です。慶大卒業後、NHKでディレクター、プロデューサーとして主に歌謡番組を担当し、その後もテレビ関係、音楽関係の仕事をしてきたということですから、こういう世界に通じた人でもあります。『プレイバック 70~80年代のスター群像を創り上げたスーパー・プロデューサー酒井政利の輝跡』という本も編集していますから酒井さんともチャンネルがあるのでしょう。小説家としては「オール読物新人賞」を受賞、直木賞の候補にもなっています。ともかく、真理さんの全盛期とその後を(どの程度かはわかりませんが)知ることができた人と考えられますから、あえて『マリちゃん』というタイトルをつけたということはそういう意図があってのことだと思います。
※ 書きかけですが今回はここまでです。あまり更新しないと何のため
にブログにしたのか分からなくなりますから、少しずつ書きたして
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