初めて聴きました
ひと月ほどご無沙汰してしまいました。その間にchiccyaiwatashiさんがYoutubeに期間限定で何曲か貴重なライブ録音をupしてくださっていました。いずれも初めて耳にする思いがけない曲で、感激しました。8月ということからすると梅田コマでの公演なのでしょうか?いずれにしても、必ずしも良い録音状態でないにもかかわらず、真理さんのうたのすばらしさがはっきりと聴き取れます。
「想い出の渚」は最初タイトルを見たとき、この曲なら真理さんはきっと「愛の渚」のようにはじけて楽しさいっぱいに歌うだろうと思いました。ところが実際に聴いてみると、楽しさは十分ありながら、ゆったりとしたテンポにのって、情熱的に、しかし懐かしむように歌っています。考えてみると、「想い出」なのですから当然なのかもしれませんが、オリジナルのワイルドワンズのうたの印象から、私がつくりあげていたイメージからすれば意外でした。真理さんのうたはこういう予想のつかないところがありますね。この曲ならこう歌うだろうと思っていると全く違っているのです。真理さんは、曲は聴いて覚えるのではなく、楽譜を見て覚えると言っていました。だから先入観で、聴きなれたように歌うのではなく、自分の感じたままに歌うのでしょう。そのことが、先入観に囚われた人たちには、自分の聴きなれたような歌でないと違和感をもたれてしまう原因の一つだったかもしれません。人間、なじみのないものを受け入れるのは難しいのです。しかしそれは真理さんの独創性そのものだったのです。
「可愛い人よ」と言う曲を私は知りませんでした。したがって全く先入観なしで聴いたのですが、これこそ楽しさがはじけるうたですね。他の人の歌も聴きましたが、誰よりも楽しくダイナミックに、そして生き生きと歌っていますね。こういう湧きあがってくる生気というのはなかなか他の人では聴くことができません。
そして、白眉は「旅人よ」でしょうか。この曲がこんな美しく感動的な曲だったとはまったく思いませんでした。冒頭の「風に震える、緑の草原」というところを聴き比べてください。本家本元の加山雄三を含め、小椋佳、井上陽水の誰も真理さんのように「震え」を表現できていません。もちろんそれぞれに良さがありますが、真理さんのうたは、この心の震えと若々しい生命(いのち)で誰よりも美しいうたになっています。皆さんが言われているように、この時期の真理さんの声は、声そのものが聴く者の心を震わせる力をもっています。当時のファンの録音テープには、まだまだこんな奇跡のようなうたが眠っているのかもしれませんね。
もうひとつ、「地下鉄に乗って」もupされました。この曲は吉田拓郎の作品で「猫」というグループが歌った曲です。真理さんは吉田拓郎の曲はオリジナルの「さよならだけ残して」をはじめ色々歌っていて、いずれもとても魅力的なのですが、この曲を歌っていたというのはちょっと意外でした。こういう、いわばボソボソ歌うような曲は真理さんには向かないと思っていたからです。しかし、実際聞いてみると、録音が鮮明でないのでよく歌詞が聞き取れない所もありますが、なかなかいいのです。真理さんだとやはり「語る」より「歌う」のですね。平坦なメロディーが抑揚豊かに歌われています。そういう意味では真理さんのうたの特質をよく知ることができる録音と言えますね。
ところで、この「猫」というグループを調べていたら、“ちょっとした大発見”がありました。次回はそれを紹介します。お楽しみに。
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「想い出の渚」は最初タイトルを見たとき、この曲なら真理さんはきっと「愛の渚」のようにはじけて楽しさいっぱいに歌うだろうと思いました。ところが実際に聴いてみると、楽しさは十分ありながら、ゆったりとしたテンポにのって、情熱的に、しかし懐かしむように歌っています。考えてみると、「想い出」なのですから当然なのかもしれませんが、オリジナルのワイルドワンズのうたの印象から、私がつくりあげていたイメージからすれば意外でした。真理さんのうたはこういう予想のつかないところがありますね。この曲ならこう歌うだろうと思っていると全く違っているのです。真理さんは、曲は聴いて覚えるのではなく、楽譜を見て覚えると言っていました。だから先入観で、聴きなれたように歌うのではなく、自分の感じたままに歌うのでしょう。そのことが、先入観に囚われた人たちには、自分の聴きなれたような歌でないと違和感をもたれてしまう原因の一つだったかもしれません。人間、なじみのないものを受け入れるのは難しいのです。しかしそれは真理さんの独創性そのものだったのです。
「可愛い人よ」と言う曲を私は知りませんでした。したがって全く先入観なしで聴いたのですが、これこそ楽しさがはじけるうたですね。他の人の歌も聴きましたが、誰よりも楽しくダイナミックに、そして生き生きと歌っていますね。こういう湧きあがってくる生気というのはなかなか他の人では聴くことができません。
そして、白眉は「旅人よ」でしょうか。この曲がこんな美しく感動的な曲だったとはまったく思いませんでした。冒頭の「風に震える、緑の草原」というところを聴き比べてください。本家本元の加山雄三を含め、小椋佳、井上陽水の誰も真理さんのように「震え」を表現できていません。もちろんそれぞれに良さがありますが、真理さんのうたは、この心の震えと若々しい生命(いのち)で誰よりも美しいうたになっています。皆さんが言われているように、この時期の真理さんの声は、声そのものが聴く者の心を震わせる力をもっています。当時のファンの録音テープには、まだまだこんな奇跡のようなうたが眠っているのかもしれませんね。
もうひとつ、「地下鉄に乗って」もupされました。この曲は吉田拓郎の作品で「猫」というグループが歌った曲です。真理さんは吉田拓郎の曲はオリジナルの「さよならだけ残して」をはじめ色々歌っていて、いずれもとても魅力的なのですが、この曲を歌っていたというのはちょっと意外でした。こういう、いわばボソボソ歌うような曲は真理さんには向かないと思っていたからです。しかし、実際聞いてみると、録音が鮮明でないのでよく歌詞が聞き取れない所もありますが、なかなかいいのです。真理さんだとやはり「語る」より「歌う」のですね。平坦なメロディーが抑揚豊かに歌われています。そういう意味では真理さんのうたの特質をよく知ることができる録音と言えますね。
ところで、この「猫」というグループを調べていたら、“ちょっとした大発見”がありました。次回はそれを紹介します。お楽しみに。
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