小さい巨像
本棚が一杯になって、入りきれない本がどんどん山積みになって床が見えなくなってきました。そこで先日、少し整理しようとしたところ、古い本が本棚の奥から出てきて、また読みふけってしまい、結局整理がつかないままになってしまったのですが、その中に『小さい巨像』(朝日選書)という本がありました。これは、週刊誌『朝日ジャーナル』で1973年1月~12月に連載されたものをまとめたものですが、その目次は次のようになっています。




少し年齢の若い方には取り上げた<巨像>もその筆者もわからない人も多いかもしれませんが、当時を知る人が見れば、筆者は寺山修二、大島渚、手塚治虫、水木しげる等、当時、第一線で活躍していた人たちだということが分かります。この本は、そういう筆者たちが、戦後の各年代の青少年の心をとらえた、大衆のアイドルともいうべき存在を<小さい巨像>として論じたものです。
取り上げた<巨像>を見ると、45テーマの内、小説・マンガ・映画・ドラマ、あるいはその登場人物(動物)を扱ったものが35テーマ(ただし、実際には分類しにくいものもある)で、実在の人物(動物)が10テーマです。「パンダ」は別として、実在の人物として取り上げられたのは、
政治家が1名(「ケネディ」アメリカ大統領)
冒険家が1名(「太平洋ひとりぼっち」太平洋をヨットで単独横断
した堀江謙一)
映画等製作者1名(「白雪姫」ウォルト・ディズニー)
俳優3名(「コリン・リュシエール」、「ギターを持った渡り鳥」
小林旭、「キューポラのある街」吉永小百合)
歌手(ミュージシャン)は3名(組)で、
ビートルズ、美空ひばり(「リンゴ園の少女」)
そしてもう一人がわれらが天地真理(「水色の恋」)なのです。
ここで真理さんがどのように論じられているかはここではふれません。簡単に言うと、ファンからすれば納得のいかない内容かもしれません。『朝日ジャーナル』はいわば硬派の雑誌でしたから、他のテーマもそうですが、少しひねって論じられています。しかしそれについては別の機会、あるいは本編の話題にすることにします。(こういう宿題がどんどん増えて困りますが)
ともかく、この顔触れを見たとき、当時の真理さんの存在の大きさが分かると思います。いわば、大衆の文化史に一時代を画した存在であったということです。1973年という年は真理さんが最も輝いていた年です。その輝きが、このような硬派のジャーナリズムにも、時代の象徴として論じられることになったのです。
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少し年齢の若い方には取り上げた<巨像>もその筆者もわからない人も多いかもしれませんが、当時を知る人が見れば、筆者は寺山修二、大島渚、手塚治虫、水木しげる等、当時、第一線で活躍していた人たちだということが分かります。この本は、そういう筆者たちが、戦後の各年代の青少年の心をとらえた、大衆のアイドルともいうべき存在を<小さい巨像>として論じたものです。
取り上げた<巨像>を見ると、45テーマの内、小説・マンガ・映画・ドラマ、あるいはその登場人物(動物)を扱ったものが35テーマ(ただし、実際には分類しにくいものもある)で、実在の人物(動物)が10テーマです。「パンダ」は別として、実在の人物として取り上げられたのは、
政治家が1名(「ケネディ」アメリカ大統領)
冒険家が1名(「太平洋ひとりぼっち」太平洋をヨットで単独横断
した堀江謙一)
映画等製作者1名(「白雪姫」ウォルト・ディズニー)
俳優3名(「コリン・リュシエール」、「ギターを持った渡り鳥」
小林旭、「キューポラのある街」吉永小百合)
歌手(ミュージシャン)は3名(組)で、
ビートルズ、美空ひばり(「リンゴ園の少女」)
そしてもう一人がわれらが天地真理(「水色の恋」)なのです。
ここで真理さんがどのように論じられているかはここではふれません。簡単に言うと、ファンからすれば納得のいかない内容かもしれません。『朝日ジャーナル』はいわば硬派の雑誌でしたから、他のテーマもそうですが、少しひねって論じられています。しかしそれについては別の機会、あるいは本編の話題にすることにします。(こういう宿題がどんどん増えて困りますが)
ともかく、この顔触れを見たとき、当時の真理さんの存在の大きさが分かると思います。いわば、大衆の文化史に一時代を画した存在であったということです。1973年という年は真理さんが最も輝いていた年です。その輝きが、このような硬派のジャーナリズムにも、時代の象徴として論じられることになったのです。
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