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聴き比べ「あなた」

聴き比べシリーズ、今回は「あなた」です。
まずオリジナルの小坂明子さんです。

この曲は1973年の第6回ヤマハポピュラーソングコンテストでグランプリを獲得し、同年11月の第4回世界歌謡祭でもグランプリを受賞した作品です。作詞・作曲も小坂明子さんで当時16歳、大阪音楽大学付属音楽高等学校ピアノ科2年生と言うことですから、真理さんと同じように音楽の基礎をきちんと学んだ人でしょう。ただ歌い方は真理さんとはだいぶ違います。真理さんは基本はクラシックの発声法で、すべてファルセットで歌いますが、小坂さんは地声で歌い高音域になるとファルセットに切り替えて歌います。私は当時、小坂さんのうたを聴いて声が洗練されていないし、妙に引きずる歌い方で、あまり感心しませんでした。ただそれはテレビで聴いた感想で、今回しっかり聴き直してみると、それなりの良さがあることもわかりましたが、それは後で触れることにします。

ではこの曲のカバー、第1弾は岩崎宏美さんです。

これはいつ頃のものでしょうか?正直に言って声がひどいです。すべてがひどいと言うわけではなく大部分は(若い頃より)深い声でそれなりに良いのですが、「小さな家を」とか「部屋には」とかいうところでのつぶれたような声ですっかり興ざめになってしまうのです。「あなた あなた」という肝心の部分も同じで、特に後半、盛り上がっていくところで力めば力むほど声が荒くなってしまっています。妙に余裕のあるような歌い方もこの曲に合っているとは思えません。
もっと若い頃の岩崎宏美さんと小坂明子さんの共演もあります。

構えたところがなくさらっと歌っているこちらの方が私には好ましく思えます。若さと言うものは代えがたいものだとあらためて思います。特に声についてはなおさらそうですね。

次に松田聖子さんで聴いてみましょう。

松田聖子さんのチープな声や媚びた歌い方は私は好きでないのですが、ここでもはじめの方はそんな感じです。ただ後半になると感情がのってきます。最後の感極まったような様子を見ると、自分自身の私生活上の出来事からくる感情が乗り移ったのかもしれませんが、それなりに聴く者に訴えるものはありますね。ただこういう演技的な表現は(カメラワークがさらに誇張していますが)好き嫌いが分かれるところでしょうね。私自身はこれを聴いて、岩崎宏美さんの格調を見直しました。

次は八神純子さんです。

小坂さんについて「声が洗練されていない」と書きましたが、八神さんは洗練された声ですね。全体の印象としても洗練されて美しいと思います。ただ引きずるような歌い方とかは小坂さんのオリジナリティを超えていません。この動画に対して「上手い、透明感がある。 しかし全盛期のオリジナルの小坂明子にあった情感、せつなさは無いように思う」というコメントがありますが、私も似た印象です。小坂さんのところで「それなりの良さがあることがわかった」と言っているのはこのことです。

ではいよいよ天地真理さんの歌う「あなた」です。


他の人と全く違いますね。ひとりだけオリジナルから全く自由に心の赴くままに歌っているという印象です。淡々としてどこにも芝居がかったところがなく自然で、それでいて誰よりも豊かな情感に満ちています。
本編HP「空いっぱいの幸せ」に書いた寸評をそのまま引用しましょう。
<冒頭「もしも」につづく「わたしが」ですでに天地真理のあたたかくやさしいうたに心を奪われてしまう。淡々と格調高く、しかし、どこをとっても心の中に浸みこむような情感に満たされる。とりわけ、「ブルーのじゅうたん・・・」ではささやかな幸福への憧れが胸を打つ。この曲は実際は「いとしいあなたは今どこに」というように「夢」が破れた歌なのだが彼女はそのことをあまり強調することなく、憧れをそのまま最後の高揚につなげ、、大きなスケールでフィナーレを築く。繰り返し部分の「そして わたしは」の2段ロケットのような推進力の与え方にも彼女の天性のひらめきが生きている。>

最後におまけをひとつ。以前つくって紹介したことがある「3人娘共演版」です。


※ 天地真理動画プロジェクト(仮称)の「歌手 天地真理を知っていますか」「空前のアイドルへの道」「フォーク歌手 天地真理」への意見、感想も引き続きお願いします。

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