昭和の歌姫

追追加あります

1月13日の朝日新聞土曜版beに、おなじみの「もういちど流行歌」とは別に「昭和の歌姫 ひばり? 百恵?」という記事がありました。「昭和の歌姫」と呼びのにふさわしいのは美空ひばりか山口百恵かという読者アンケートです。結果は72%が美空ひばり、28%が山口百恵というグラフを見て視線を下に動かしていくと「天地真理」という字が見えました。「あれ」とよく見てみると「「歌姫と呼びたい女性歌手は?」という質問の回答でした。つまりこのアンケートでは「昭和の歌姫と呼びのにふさわしいのは美空ひばりか山口百恵か」という二者択一の質問とは別に「あなたが歌姫と呼びたい女性歌手は誰ですか」という自由選択の質問があったようなのです。そして後者の回答に天地真理さんが入っていたのです。
(大きくして読むには、画像をクリックし、出てきた画像の上で右クリックし「新しいタブで開く」をクリックしてください)
グラフ
昭和の歌姫beアンケート本文

最初の質問は、ひばり、百恵のどちらかを選ぶ(どうしてこの2人に絞ったかは書いてありませんが)という形ですから、二人とも違うと思う人は無理やり選ぶ(または回答しない)ということになります。そこで二人以外の歌手も選べるようにということで後の質問が設けられたのかもしれません。ただ後の質問は、自分が「歌姫」と思う人を、「昭和」に限定せずに何人でも選択していいということで、最初の質問とは少し意味合いが違います。
そしてその中で天地真理さんは15位でした。この順位はどうなのか少し考えてみましょう。
そもそも「歌姫」とはどういう意味でしょう。私の記憶ではこの言葉がマスコミなどでさかんに使われるようになったのは比較的新しいと思います。「歌姫」を国語辞書で引いてみると単に「女性歌手、女流声楽家」などと出てくるだけです。とすれば女性歌手は誰でも歌姫なわけで、選ぶということ自体意味がないことになります。実際そうした使い方もたしかにありますし、それが以前の使い方でした。しかしこのアンケートや近年マスコミで使われる「歌姫」には何らかのカリスマ的な要素を持った女性歌手といった意味合いが付け加わっているように思います。Wikipediaで「歌姫」を引くと「女性の歌手や声楽家、ディーヴァ、芸妓」となっていて、「ディーヴァ」という言葉が出てきます。さらに「ディーヴァ」をWikipediaで引くと<ラテン語で「神々しい・神がかり 的」を意味するdivaに由来する語で「 神々しい人(女性)」「女神」を意味する。転じてオペラで卓越した歌唱をする女性歌手の 賛辞として広まった。日本語では「 歌姫」と訳されることが多い>と書いてあり、代表例としてマリア・カラスの画像が出ています。マリア・カラスはイタリアオペラにおいて20世紀後半最高のソプラノ歌手であり、舞台での姿や演技も圧倒的な<華>があり、まさにカリスマ的な存在でした。そういう歌手を「ディーヴァ」と呼んだのですね。そして、おそらくこの「ディーヴァ」に当たる日本語として「歌姫」が使われるようになったのではないかと推測されます。
そこで「歌姫」の条件を整理すると、「卓越した歌唱」と他の人にない<華>があげられるのではないでしょうか。その観点で天地真理さんを考えると、この2つの条件は十分満たしていました。にもかかわらず、あまり上位にならなかったのは真理さんの<うた>を(当時の先入観で)「卓越した歌唱」と思っていない人がまだまだ多いということではないでしょうか。もちろん、このアンケートは「beモニター」にアンケートしたと書いてありますから特定の範囲の人たちの傾向であって、一般的な傾向とは必ずしも言えません。しかし、一般的な傾向を調べても似たような傾向が出るのではないでしょうか。その意味では私たちの努力がまだまだ必要だと思います。美しく、やさしく、あたたかく、心をよろこびで満たし幸せにしてくれる天地真理さんの<うた>の素晴らしさをもっともっと多くの人に知らせるにはどうしたらよいでしょうか。

<追加>
コメントにありますようにMMM2さんに教えていただいたテレビ朝日「中居正広のミになる図書館」で放送された世代別歌姫ランキングを紹介しておきます。
番組の様子は http://www.dailymotion.com/video/x58sfjf
詳しい内容は http://shabonyu.com/mininaru_library20170116/
世代別歌姫ランキング20170116中居正広ミになる図書館1万人


<追追加>
NHKFM 2月15日 13:00~ 「歌謡スクランブル」
 「アイドル作品集」  天地真理に始まり山口百恵で終ります。

TBSテレビ 2月12日 19;00~ 
「歌のゴールデンヒット -青春のアイドル50年間-」 
 4時間スペシャルということで天地真理さんに当然触れるはずですがどの程度かはわかりません。


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歌姫と呼ぶにふさわしい

ひこうき雲さん、こんばんわ。新年の挨拶もせず、失礼をお許しください。
「歌姫」についての記事、興味深く拝見しました。「昭和の歌姫 ひばり? 百恵?」… ひばりさんの相手に百恵さん? 設問自体、とっても無理があるような… まだ、「ひばり? 千代子?」の方が差が縮まるような気がするのは私だけでしょうか? でも、その島倉千代子さん、あるいは現在もご活躍中の石川さゆりさんといった大歌手を抑えて、真理さんが15位に入っているのは「すごい!」と思いました(もちろん、真理さんの実力と実績を考えれば、もっと上位でもいいのにとは思いますが…)。新三人娘の中でも真理さんだけですね。

それと、「ディーヴァ」という言葉は知っていたのですが、もともとは「神々しい、神がかりな」という意味があるというのは初めて知りました。そう考えると、真理さんは「歌姫」「ディーヴァ」と呼ぶのに最もふさわしい人ですね。

先日の「もういちど流行歌1972年2月」の情報も、ありがとうございました。クミさんのツイートで知り、私も投票いたしました。このように、投票の結果などで真理さんが今もなお多くの人々に支持されていることをメディアの人たちが知り、真理さんを大きく取り上げることで、真理さんの<うた>の素晴らしさがたくさんの人たちに伝わるといいですね。

Re: 歌姫と呼ぶにふさわしい

CatTuba さん
コメントありがとうございます。

ひばりさんと百恵さんという組み合わせに違和感を感じる原因の一つは、「昭和」と言ってもいくつもの段階があるのにひっくるめてしまっているからですね。戦前と戦後を元号が一緒だからと言ってひとつの時代にまとめることは乱暴で何の意味もないことですし、戦後もいわゆる「焼け跡・闇市」時代は独特の時代を形成していますし、私の記憶しているところでも高度成長時代とその後のバブルへ向かう時代、そしてその後の長い不況期と言ったように、それぞれの時代で文化も人々の価値観や心情も違っていました。それを「昭和の歌姫」などとひとくくりにして比較しようということ自体無意味だと私は思います。それより2つ目の、「歌姫」と呼びたい歌手は誰かという方が無理のない質問だと思います。
その顔ぶれを見ると、たしかに小柳さんも南さんも入っていません。70年代アイドル系では真理さんと百恵さんだけですね。そういう意味では健闘なのかもしれません。
15位という順位には<うた>だけの問題ではなく他の要素もあるのではないかというご指摘をくださった方もおられます。私もそれは承知しています。「歌姫」らしいイメージということがあると思いますし、経歴によってつくられた印象もあるでしょう。百恵さんは結婚退職が「潔い」というイメージを生んで伝説化しましたが、つらいことがあっても何度も復活してきた真理さんはそのことがむしろマイナスになっていると思われます。そういう虚像をどうやってぬぐっていくかということも課題ですね。

歌姫アンケート

昨年放送された「中居正広のミになる図書館」という番組をご存知ですか。その中で、1万人の年代別歌姫アンケートというテーマがあり、60代の4位に天地真理さんが入っています。
1位美空ひばり2位山口百恵3位松任谷由実
5位中島みゆき という順位です。
この番組は見ていないのですが、たまたま、検索していて知りました。
「中居正広歌姫」でヤフーで検索すると、詳しい内容が出て来ます。
各年代別に見ても、70年代アイドルと言われた人で入っているのは、山口百恵さんと真理さんだけです。
山口百恵さんは、年中テレビで話題にされているので、なるほどと思いますが、テレビで全く無視されている真理さんが入っているのは、少々驚きました。実績から言ったら、当たり前、いや、まだ不十分なのですが。
朝日新聞のアンケートといい、この番組のアンケートといい、いくらテレビ等のマスコミが無視しても、「わかっている人はわかっている」というところでしょうか。

Re: 歌姫アンケート

MMM2 さん
情報をありがとうございます。
早速、本文にも追加して紹介させていただきました。

これは1万人ということでサンプル数も多いですし、どういう方法で調査したかわかりませんが、テレビですから回答者も割と偏りがないと思います。そういう中でこの順位というのはうれしいですね。おっしゃるように、現在のテレビでは百恵さんのように伝説のように語られることもなく露出度はゼロに近いのにこの順位に来るというのはやはりこの年代の人に真理さんがいかに大きな存在であったかを物語っているのでしょうね。

ディーバ 天地真理!

歌姫の話題興味深く拝見しました。
歌姫ということで真理さんが取り上げられているのは嬉しいですね。
私は真理さんを孤高の歌姫と表現していますが、孤高には他とはかけ離れて秀でていることとそれがまだ一部の人にしか理解できていないというニュアンスで使っています。今回歌姫=ディーバとすると、「神がかりな」というニュアンスがあるとのことで、まさに当時の真理さんの輝きは神がかり的であったと思います。そしてその後、真理さんを超える輝きを持ったディーバはいませんね。

一方で、歌姫としての評価のネガティブな面として、真理さんの歌唱が声楽家と同じくコンディションに左右されるため、バラツキが大きかった事があると思います。その点いわゆる歌姫のみなさんは、「こう歌ったら聴衆がうまいと感じる」というポイントを上手く演出するテクニックに長けていると思います。真理さんはお人柄も生き方も、そうした打算とは無縁で押しつけがましさが一切無く、それ故、良いコンディションの時の歌唱は、美しさ、優しさ、たおやかさで唯一無二です。真理さんの歌は人々の心に届いていたのだと思います。しかし人は私も含めてマスメディアの云うことに影響を受け自分自身の直感を曇らせてしまったのだと思います。

Re: ディーバ 天地真理!

HardTopさん
コメントありがとうございます。

>真理さんはお人柄も生き方も、そうした打算とは無縁で押しつけがましさが一切無く・・・

おっしゃる通りですね。真理さんはいろいろの意味で不器用な人です。(そのものずばりのタイトルの曲もありますが)
歌唱そのものもその時によって出来不出来はありました。Youtubeでも、当時録画されたものでは必ずしもうまく歌えていないものもありますが、音声のみ録音されたものにはとんでもない名唱がいくつもあります。真理さんにとって、うたは(同じことの繰り返しではなく)いつでもその時、その場で生まれるものだったと思っています。
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