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FM軽井沢 「天地真理特集」第5回

FM軽井沢「太田忠の経済・金融縦横無尽」での「天地真理特集」の第5回が6月18日(土)に放送されました。

まず前半をお聴きください。


最初に太田さんは「天地真理さんの本質的部分に迫りたい」と今回のテーマを設定されています。そしてあれだけの実績を持ちながら現在「正当な評価が著しくゆがめられている」のはなぜか、ということで、1977~79年の「3年間の空白」に言及されています。
実はこのテーマは第3回についての私の記事とコメントでのやり取りの中で太田さんが第5回で取り上げたいと予告されていたものです。
たしかにあの3年間の「空白」がなければその後の真理さんの人生は全く違ったものになっていたかもしれません。私も、太田さんがおっしゃる通りこの3年間は「天地真理」を評価するうえで「絶対に避けて通れない点」だと思っています。今、真理さんを中傷、揶揄する人たちはもちろん、好意的な人たちでも、そもそもこの3年間が存在したことさえ知らない人が多いのではないでしょうか。それだけにラジオを聴いている人々にそのことを紹介していただいたことはとても意義のあることだと思います。
この3年間のことについて太田さんは「日本一」のプレッシャーを背負い続け身体も魂も削るほどの激務に耐え、マスコミからの強烈なバッシングとも戦って力尽きたためと推測されています。私も基本的に同じ見解です。そしてその3年間がどのような日々であり、復帰にあたってもどれほどの努力を必要としたか、その一端は以前に記事に書きました。
しかし太田さんが言われるように「真理さんはその後復帰したものの結局心身のバランスを崩して歌えなくなってしまった」のです。
そして「そのことが今も生き続けている天地真理さんの普遍性につながってくる」ということで、「あなたが教えてくれた歌」がかかりました。
この曲について太田さんは、今ではいわば主客の逆転が起きていると言っておられます。つまり、真理さんが「あなたが教えてくれた歌」につつまれているのではなく、私たちこそ真理さんのうたに包まれているのだというのです。私も第4回の記事やホームページ「空いっぱいの幸せ」の各曲寸評で同様のことを書きました。この曲を聴くと自然に真理さんへの感謝の気持ちが湧き上がってくるのです。
真理さん自身はかつてのように歌えなくなったけれど、真理さんが身も心もを削って残してくれた歌の数々はそれ自体として命をもって私たちの心を包んでくれている、太田さんの言う「普遍性」とはそういう意味かなと私は解釈したのですが、どうなのでしょうか?
その後の「水色の恋」とそれに続く太田さんの天地真理さんへの評価は本当によく言ってくださったと思います。放送を聴いていた人たちにも強い印象が残ったのではないでしょうか。「デビュー以来45年、天地真理を超える歌手は一人も出ていない」私も深く共感します。

さて、その次のテ-マは真理さんを支えた2人の女性作詞家ということで、まず安井かずみさんが取り上げられました。たしかに真理さんと安井さんは縁が深く、真理さんのヨーロッパ旅行へも同行したことがありましたし、ミュージカル「君よ知るや南の国」の作詞も手掛けています。太田さんは安井さんを当時の女性のロールモデルと表現しておられますが、真理さんもそうした様々な機会に間近で安井さんの生き方を見ていたでしょう。
ここでは「ちいさな恋」と「さよならこんにちわ」(山口洋子さんと共作)がかかりましたが、安井さんの作詞した歌はこの2曲でもわかるように説明的でなく詩的で、とても魅力的なものが多いと私は感じています。

では後半です。


まず、結婚された安井さんと加藤和彦さんの作品が2曲です。いずれも青春の息吹に満ちた曲ですね。お二人の息もあっていると思いますが、いずれもセカンドアルバムですから1972年の作品でこの時はお二人は結婚していません。この頃、お二人はお互いをどう感じながらこれらの曲を作っていたのでしょうね?

次に取り上げられたのは岩谷時子さんです。岩谷さんは真理さんの休養前の最後の時期に作詞を担当された方です。年齢と関係あるかわかりませんが、岩谷さんの作詞された歌には透明感があるように私は感じています。
「矢車草」「愛の渚」はシングルA面ですからある程度知られているかもしれませんが「愛がほしい」はあまり知られていないと思います。私も好きな曲ですがここで取り上げてもらって良かったと思います。

最後は復帰に際して限定盤として収録された「ひとかかえの愛」でしたが、この曲にも「主客の逆転」が見られます。中間のセリフで「お会い出来てとてもうれしい」という言葉がありますが、ファンにとって真理さんが再び戻ってきてくれたよろこびをこの言葉に感じたと思います。「お会い出来てとてもうれしい」と。

今回は歌手天地真理の人生に迫る少し重い内容でしたが、太田さんはファンが言いたいことをよく代弁していただいたと思います。感謝いたします。この放送を聴いた方たちから誤解が溶けて真理さんへのまっとうな理解が進むことを願っています。



FM軽井沢 天地真理特集 のお知らせ

FM軽井沢の『軽井沢発!太田忠の経済・金融“縦横無尽”』で天地真理特集の続編が放送されます。
放送日は次の通りです。
   6月25日(土)午後4時~5時 天地真理特集⑥
「さくら貝掲示板」の太田さんのメッセージを転載します
天地真理特集⑥では「天地真理の編曲の最大の立役者」「アレンジで変わる曲調聴き比べ」をトピックとし、歌謡曲における「編曲・アレンジ」という領域にスポットを当ててみたいと思います。「この曲は誰が作詞をして作曲したのか」は一般的に興味を持たれますが、「誰が編曲したのか」は話題にもなりません。その点を掘り起こす試みをおこないます。加えて、「4拍子揃った名曲」もご紹介します。番組中に取り上げる曲は全部で12曲となります。

FM軽井沢はインターネットラジオにてPCやスマホで全国・全世界から視聴が可能です(詳しくはFM軽井沢のHP参照)




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ようやく折り返し点に来ました

ひこうき雲さん

太田です。ようやく無事に「天地真理特集⑤」がオンエアできました。本来ならばもう少し早いタイミングを考えておりましたが、なかなか時間が取れず大変お待たせいたしました。

回を重ねるごとにFM軽井沢への反響も大きくなっており、多くのリスナーの方が聴かれているようです。加えて、過去放送分のアーカイブを視聴できる「一杯のレモンティー」の当サイトに感謝する声も多くなっております。感謝の念にたえません。

天地真理さんの普遍性については、あえて私個人の明確な定義めいたものについて言及しませんでしたが、聴き手によって微妙に捉え方が異なるものと理解しています。ただし、天地真理を本当に理解するファンの皆さんが心の中で考えていることについては、大筋のアプローチをさせていただきました。「空白の3年間」を知らない人は多いでしょうね。

1972年時点では安井さんと加藤さんは単なる仕事仲間です。加藤さんはまだ前妻のミカさんと生活されていました。安井さんと加藤さんが急接近したのは1975年後半頃です。

天地真理特集もようやく折り返し点になりました。やっとここまで辿り着いた…と思うと感慨深いです。引き続きよろしくお願いいたします。

PS:YouTubeのタイトル日付が「2015」となっていましたので、ご訂正お願いいたします。私もよくやる間違いです(笑)。

太田忠

Re: ようやく折り返し点に来ました

太田さん

素晴しい番組をありがとうございます。
毎回どのような構成にするか、大変なご苦労がおありかと思いますが、いつも興味深いテーマで楽しく聴かせていただいています。
特に今回は重いテーマで微妙な部分も含んでいますから、いろいろ大変だったのではないでしょうか。
しかし本文にも書きましたように、多くの人に天地真理さん真実を知ってもらうきっかけにもなったのではないかと思います。FM軽井沢への反響も大きくなってきているとのこと、太田さんのおかげです。またこのブログのアーカイブも少しはお役に立っているようなら私も本当にうれしいです。(今回は、わが菜園にイノシシ等が出没しその対策に忙殺されて掲載がだいぶ遅くなってお待たせしてしまいました)

折り返し点ということですからまだだいぶ楽しませていただけそうですね。期待しています。当面、次の第6回を楽しみにしております。

なお「2016」に変更しておきました。全く気が付きませんでした。仕事を辞めてしまうと毎日同じ日常の繰り返しになってしまうので1年1年の区別がつかなくなってしまうようです。やはり歳ですね。

No title

 「真理さんはその後復帰したものの結局心身のバランスを崩して歌えなくなってしまった」というのは、本当ですか。ご本人が言っているのでしょうか。

 歌が歌えなくなったのは、明らかに喉、声帯が傷ついた病気のためで、身体的な理由が先でなないでしょうか。
 その声帯の病気が悪化し、徐々に声が思うように出せなくなったために、悩み苦しんだ(心身のバランスが崩れた)というべきではないでしょうか。

 また、3年間の空白は、突然、全国縦断リサイタル、その他スケジュールをドタキャンしたため、恐らく、多方面からの違約金の処理問題が大きかったためではないでしょうか。

Re: No title

chitaさん
コメントありがとうございます。

返信を書いていたら本文より長くなってしまいそうになり、このテーマに関しては私も別にまとめたいと思っていますから、ここでは簡単にお答えしたいと思います。

>「真理さんはその後復帰したものの結局心身のバランスを崩して歌えなくなってしまった」というのは、本当ですか。
「本当ですか」と言われれば厳密にはわかりません。しかし公には誰も真相を知らないのですから、本当でないとも言えません。

>ご本人が言っているのでしょうか。
放送の中で太田さんが「そのことについてはひとことも語ろうとしない」と言っている通りです。

>歌が歌えなくなったのは、明らかに喉、声帯が傷ついた病気のため
直接的にはそうだと思います。しかし心身のバランスを崩したことが影響していないとも言えません。

>3年間の空白は、突然、全国縦断リサイタル、その他スケジュールをドタキャンしたため、恐らく、多方面からの違約金の処理問題が大きかったためではないでしょうか。
こういう説は初耳です。情報源は何でしょうか? ただ、もしそういうことがあったのなら、プロダクションとすれば早く復帰させて稼がせようとするのではないでしょうか。
たとえそういうことがあったにしても、3年も復帰できなかったのは別の理由によることは明らかだと私は思っています。

No title

 ひこうき雲さんの「天地真理リサイタル「そよ風に誘われて」の記事で、当時の録音を初めて聞かせてもらい、歌のうまさに感動しました。

 一方で、録音の仕方にもよりますが、あまりにも静かすぎるライブで驚きました。
 前回の記事「旅人よ」で明らかですが、真理ちゃんコールは、キャンディーズの大規模コンサートに完全に取られていることが分かります。

 天地真理さんの休養は、この全国縦断リサイタルの計画こそが、大きな影響があったと、私は勝手に想像しております。

 「FMバラエティ 1976.8.6 (ゲスト 天地真理) 」という題のYTの中で、このリサイタルは、全国30か所、6人のオリジナルバンドを結成し、(76年)年内から来年の初めごろまで行う計画があると、とても意欲的に真理さんが話をしているのが聞けます。

 計画が30か所と言っているのに、実際は、76年9月から年末までに9か所しか実現できなかった。

 真理さんが以前から望んでいたやり方で、自分の好きな歌をオリジナルバンドで、好きなように歌うコンサートの計画が、興業として、(人を集めることができなかった?)上手くいかなかったことが、天地真理さんに経済面に大きなダメージをあたえたと思います。

 それにより精神的にも傷ついたかもしれません。近年、ご本人が言っているように、「病気でも何でもなかったが、休みたかった」、「うつ病だった」というような表現は、今でこそ、だれもが理解を示してくれます。
 しかし、当時はまだ、そのような理由を公にして、仕事や学校を休めなかったですよね。
 

Re: No title

chitaさん
返信遅くなり失礼しました。
ちょうど「天地真理特集第6回」の更新作業中だったので後回しになってしまいました。

>一方で、録音の仕方にもよりますが、あまりにも静かすぎるライブで驚きました。
客席での録音ですから公式録音の場合のようにステージ側で全ホールの音を集めた場合どんな様子になるのかわかりません。ただひと頃のような喧噪でないのは確かでしょう。しかし静かにじっくり聴いてもらえるということは真理さんにとってむしろうれしいことだったのではないでしょうか。曲目を見てもそういう曲が多いですし、ファンも成熟してきたということではないでしょうか。

実際観客がどれだけの人数であったのかは音だけからはわかりません。したがって
>興業として上手くいかなかった
のかどうかも私にはわかりません。

ただ以下、不入りだったと仮定した場合ですが、
>天地真理さんに経済面に大きなダメージをあたえた
ということはないと思います。それは渡辺プロの問題で真理さんが負担するものではないでしょう。
ただし、渡辺プロが真理さんに嫌味を言ったりしたとすれば
>それにより精神的にも傷ついたかもしれません。
ということはあったでしょう。また経済的にはともかく、不入りということは真理さんにとっても寂しいことではあったでしょうから精神面でも影響があったかもしれません。しかし以上はあくまで仮定の話です。

>しかし、当時はまだ、そのような理由を公にして、仕事や学校を休めなかったですよね。
当時の週刊誌等によれば、真理さんは自分から望んで入院したのではなく、相次ぐ「奇行」への苦情が殺到した渡辺プロが強制的に入院させたのです。渡辺プロが事実を公表しなかったことについては、あらためてまとめてみたいと思っています。

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