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秘密の小道

4月の末にプラハとウィーンへ行ってきました。ヨーロッパはパリ以来4年ぶりですが、この間に難民が押し寄せたりテロ事件が起きたり、ヨーロッパもずいぶん環境が変わってしまいました。しかしこちらも年々齢を取っていくので、いつまでも落ち着くのを待っているわけにもいかず、思い切って行くことにしました。直前に熊本の地震が起きて安否の心配な方もいましたが、急にキャンセルするわけにもいかず、一応ご無事ということがわかったので、心にかかりながらも出発しました。
行きはまずウィーンまで行き、そこで乗り継いでプラハへ行きました。夕方にホテルについて、すぐそばのレストランで食事。肉料理のボリュウムに胃が驚いてしまい、腹ごなしに付近を散歩しました。場所にもよるのでしょうが夜のプラハの街は人通りも少なくとても静かでした。大きな通りに出て先を見ると大きな塔がライトアップされていました。どういう建物かと思って近くまで行ってみると聞いたことのない建物でしたが、ライトアップされた姿はすてきでした。後でガイドブックを見てもその建物のことは出ていませんでしたから、そういう有名でもないが素晴らしい建物が街中に普通にあるのですね。
プラハの夜の通り3

翌日はプラハ城周辺へ行きました。プラハ城は高台にあって、プラハの街は文字通りその城下に広がっていったのです。聖ヴィート大聖堂など歴史ある建物を見ながら下っていくとプラハの街を一望できるところへ出ました。中世以来の赤い屋根の建物、「百塔の街」と言われるたくさんの尖塔などが新緑に囲まれて、実に美しい眺めでした。
プラハ市街2小

そこから離宮であるヴェルデベーレ宮殿に向かうことにしました。それには、その道を下りきってトラムで行くのが普通のようですが、地図で見ると途中から細い近道があるようなのでそちらへ向かいました。ところがそれらしき道は塀の破れ目のようなところから谷底へ降り、そこから急な坂を上るような道でした。本当にこの道でいいのか半信半疑でいたところ、谷から上ってきた人がいたので聞いてみると間違いないということでした。しかしその人はプラハの市民なのに自分もこの道は初めて通ったと言っていて、プラハ城にはあれほど人がいたのに、こちらはほとんど人が通っていませんでした。その道を進んでいくと、新緑の木々が美しい気持ちのいい道で、田舎者の私はほっと息をつくことができました。ところが谷底から上がって対面の丘の上に近づくと立派な石組みに出ました。そこでそこから振り返ると、先ほど通ってきたプラハ城が見えたのですが、それは絵にかいたような美しい姿で、まるで白雪姫の物語に出てくるお城のようでした。
ベルべデーレ宮からプラハ城3小

その上に出てみるとそこがヴェルデベーレ宮殿の庭園で地図は正しかったのですが、あまり観光客には知られていない、いわば秘密の道のようで、思いがけず素晴らしい景色を見ることができてほんとうに幸せな気分になりました。

このほかブルタバ川(ドイツ名では「モルダウ川」)周辺や旧市街広場、ユダヤ人墓地、バーツラフ広場など語りたいところはたくさんありますが、長くなりますので、割愛します。一つだけ、例によって「この道でいいのかな?」と路地を抜けて出会った劇場を紹介しておきます。スタヴォフスケー劇場といいますが、1788年モーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」がモーツァルト自身の指揮によって初演された劇場です。現存する最古のオペラ劇場であり、映画「アマデウス」の撮影も行われました。中には入りませんでしたが、そういう現場に立てたということだけで格別の感慨がありました。
スタボフスキー劇場ドンジョバンニ初演3小

パリやウィーンは歴史的な建物を残しながらも外観などもきれいに整備されています。それに対しプラハの街は古い建物がほぼそのままの姿で、道も石畳のところも多く、中世のような雰囲気(実際には近世と言うべきでしょうが)を感じさせます。その意味で懐かしい美しい街でした。

最後にちょっとこじつけですが、秘密の小道から見上げた白雪姫のお城のような光景を思い出して、ちょっとイメージは違いますが丘の上の教会ということで真理さんのこんな歌はどうでしょうか。


FM軽井沢「天地真理特集」のお知らせ
最近のコメントで太田忠さんからお知らせいただきましたが、FM軽井沢の『軽井沢発!太田忠の経済・金融“縦横無尽”』で天地真理特集の続編が放送されます。
放送日は次の通りです。
6月18日(土)午後4時~5時 天地真理特集⑤
6月25日(土)午後4時~5時 天地真理特集⑥
詳しくは「さくら貝」掲示板をご覧ください。待ち遠しいですね。


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No title

お久しぶりです。
うわぁ〜プラハ行かれたんですか。いいなぁ。行ってみたいなぁ。西洋の古い建物とか町並みとか憧れます。
ずいぶん昔、芸術新潮でプラハの特集がありました。
ロマネスクからアールヌーヴォまで建築の博物館みたいな街だとかなんとか。とりわけアールヌーヴォ様式がいたるところに見られるとあって、なんか意外でした。アールヌーヴォはパリのイメージが強いですから。 自分も行きたいですね。多分行くことはないと思いますけど羨ましいです。ウィーンも行きたいです。ザルツブルクとかも行ってみたいですね。
自分はこうみえても芸術好きですからウィーンには有名な美術史美術館あるんですよね。ブリューゲルとかベラスケスとか見に行きたいですね。羨ましいですね^^

Re: No title

馬Qさん
コメントありがとうございます・

プラハは「住みたいな」と思わせる街です。大きな建物も威圧感がなく親しみを感じさせます。
たしかにいろいろの時代の建物がありますが、それらが全く違和感なく隣り合って融け込んでいるという感じです。
アールヌーボーの代表は市民会館でしょうが、その隣の「火薬塔」というずっと古い建物と、元々そうであったかのように自然に並んでいるのです。建築に興味をお持ちならぜひ行かれるといいですよ。費用もパリに比べればかなり安く済みましたし、欲張らなければもっと安くできたと思います。
ウィーンについては次回書く予定です。
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