奇跡!幻の「ちいさな私」が聴けた
天地真理さんのデビュー曲「水色の恋」はヤマハ '70作曲コンクール(のちのポピュラーソングコンテスト)への参加曲「ちいさな私」が原曲だと言うことはファンには良く知られています。ヤマハのヴォーカルスクール生だった真理さんもこのコンクールに譜面歌手(譜面応募の曲を歌う歌手)「斉藤マリ」として出場し「OTHERWISE」と言う曲をを歌いました。この時、他の参加曲も入った楽譜集も渡され、その中の「ちいさな私」と言う曲が好きになり、たびたび自分で歌っていたようです。CBSソニーのオーディションの時もこの曲を歌ったと酒井政利元プロデューサーも言っています。そしてデビュー曲を決める時も、なかなかぴったりな曲がない中で、真理さんが自分の持ち歌のように歌ってきたこの曲に最終的に決まり、改題して「水色の恋」となったのでした。
しかし、アマチュア時代の真理さんがこの歌をどのように歌っていたかは誰も知らなかったのです。ところが5月3日付で健太さんとおっしゃる方から、「さいとう まり」と言う人が「ちいさな私」と言ううたを歌っているテープがある、というコメントが入ったのです。私は仰天してしまいました。もしそんな録音があるとすると、「OTHERWISE」と並んで、真理さんの歌声の最古の録音となります。しかしそれは「ヤング720」という番組の録音だと言うことで、私の知っている事実経過と矛盾してしまいます。健太さん自身も天地真理さんかどうかわからないと言っておられました。しかし、少し考えて、やはり真理さんに違いない、と思うようになりました。同じ時期に、同姓同名の「さいとう まり」さんが二人いて、コンクールの優勝曲でもない無名の曲を別々に見出して歌っていた、なんてことはあり得ないことだからです。そこで、健太さんに、それは真理さんに違いないこと、貴重な録音なのでなんとか公開していただけないか、お願いしました。健太さんも公開したいと言うお気持ちもおありだったようで、快く承諾していただけました。
そして、とうとう幻の「ちいさな私」を聴くことができました。健太さんにとっても大切にしてきた録音と言うことで、一部のみいただきましたので、前後に付け足して真理さんのデビューまでの道をたどるような構成にしてみました。
それでは、初公開、斎藤真理さんが歌う「ちいさな私」をお聴きください。
いかがだったでしょうか?「え!」と思った方も多かったのではないでしょうか。
最初の第一声を聴いた時、これは間違いなく真理さんの声、とわかりました。しかも若々しく、張りのある声です。
そして、みなさんもびっくりしたと思いますが、メロディーが微妙に違いますね。原曲がそうだったのか、真理さんの独自なアレンジなのか、わかりませんが、私は後者ではないかと思っています。というのは、真理さんが、その時の感興にのって、まるで吟遊詩人のように生き生きと自由に歌っているように思えるからです。
もしそうだとすると、おもしろいことになってきます。つまり、私たちの知っている「水色の恋」のメロディーこそが原曲で、ここで斎藤真理さんが歌っている「ちいさな私」は、そのパラフレーズだと言うことになります。つまり、2つの歌の関係が逆転してしまうわけです。
つまりこの頃の真理さんはいつもオリジナルな「ちいさな私」を歌っていたのではないでしょうか。そしてそれこそがフォークだったわけですね。そこに真理さんの原点をしっかりと見ることができた気がします。その意味でも本当に貴重な録音でした。
この録音が聴けたということ、これは奇跡と言うほかありません。アマチュアのフォーク好きの女の子が歌う聴いたこともない題名の歌を40年も保存する人なんて普通はいないと思います。健太さんがこの録音の入ったオープンリールテープを大事に大事に保管して下さったから、今こんな鮮明な歌声を聴くことができたのです。また、コアな真理さんファンではないという健太さんが、このブログを訪ねてくださらなかったら、この録音は日の目を見なかったかもしれません。その意味で、私もこのブログをやってきてよかったと、ほんとうにうれしいできごとでした。お忙しい中、早速デジタル化して提供していただいた健太さんにあらためてお礼を申し上げます。
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しかし、アマチュア時代の真理さんがこの歌をどのように歌っていたかは誰も知らなかったのです。ところが5月3日付で健太さんとおっしゃる方から、「さいとう まり」と言う人が「ちいさな私」と言ううたを歌っているテープがある、というコメントが入ったのです。私は仰天してしまいました。もしそんな録音があるとすると、「OTHERWISE」と並んで、真理さんの歌声の最古の録音となります。しかしそれは「ヤング720」という番組の録音だと言うことで、私の知っている事実経過と矛盾してしまいます。健太さん自身も天地真理さんかどうかわからないと言っておられました。しかし、少し考えて、やはり真理さんに違いない、と思うようになりました。同じ時期に、同姓同名の「さいとう まり」さんが二人いて、コンクールの優勝曲でもない無名の曲を別々に見出して歌っていた、なんてことはあり得ないことだからです。そこで、健太さんに、それは真理さんに違いないこと、貴重な録音なのでなんとか公開していただけないか、お願いしました。健太さんも公開したいと言うお気持ちもおありだったようで、快く承諾していただけました。
そして、とうとう幻の「ちいさな私」を聴くことができました。健太さんにとっても大切にしてきた録音と言うことで、一部のみいただきましたので、前後に付け足して真理さんのデビューまでの道をたどるような構成にしてみました。
それでは、初公開、斎藤真理さんが歌う「ちいさな私」をお聴きください。
いかがだったでしょうか?「え!」と思った方も多かったのではないでしょうか。
最初の第一声を聴いた時、これは間違いなく真理さんの声、とわかりました。しかも若々しく、張りのある声です。
そして、みなさんもびっくりしたと思いますが、メロディーが微妙に違いますね。原曲がそうだったのか、真理さんの独自なアレンジなのか、わかりませんが、私は後者ではないかと思っています。というのは、真理さんが、その時の感興にのって、まるで吟遊詩人のように生き生きと自由に歌っているように思えるからです。
もしそうだとすると、おもしろいことになってきます。つまり、私たちの知っている「水色の恋」のメロディーこそが原曲で、ここで斎藤真理さんが歌っている「ちいさな私」は、そのパラフレーズだと言うことになります。つまり、2つの歌の関係が逆転してしまうわけです。
つまりこの頃の真理さんはいつもオリジナルな「ちいさな私」を歌っていたのではないでしょうか。そしてそれこそがフォークだったわけですね。そこに真理さんの原点をしっかりと見ることができた気がします。その意味でも本当に貴重な録音でした。
この録音が聴けたということ、これは奇跡と言うほかありません。アマチュアのフォーク好きの女の子が歌う聴いたこともない題名の歌を40年も保存する人なんて普通はいないと思います。健太さんがこの録音の入ったオープンリールテープを大事に大事に保管して下さったから、今こんな鮮明な歌声を聴くことができたのです。また、コアな真理さんファンではないという健太さんが、このブログを訪ねてくださらなかったら、この録音は日の目を見なかったかもしれません。その意味で、私もこのブログをやってきてよかったと、ほんとうにうれしいできごとでした。お忙しい中、早速デジタル化して提供していただいた健太さんにあらためてお礼を申し上げます。
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