ライブトンネル
7月18日、「ライブトンネル ファイブ」に行ってきました。「ライブトンネル」はタイムトンネルを通って真理さんのライブを聴こうという意味だと思いますが、ファンの皆さんがコンサートなどで生収録された貴重な音源を聴かせていただける機会です。私の関心からするとファンクラブ関係のイベントの中でも何よりも参加したいものだったのですが、どうも都合が合わず、これまで参加できませんでした。今回は幸い都合がつき、他についでに寄りたいところもあったので、新幹線で上京して参加しました。
最初のプログラムは1974年の浅草国際劇場での公演から「ロックの真理ちゃん」、そして75年の中野サンプラザでの「天地真理リサイタル」でした。真理さんのロックはこの国際劇場の後の大阪フェスティバルホールでの公演でも歌っており「48クラッシュ」はこのブログでも紹介していますので参考にご覧ください。
中野サンプラザでのリサイタルはホームページ「夏を忘れた海」のパンフレットで曲目がわかります。「ライブトンネル」ではすべてを聴けたわけではありませんが、「我がよき友よ」はドリームランドショーでも歌っていますし、「母」は私がYoutubeにアップしたテレビスタジオでの歌もありますから参考にしてください。
私が最も印象的だったのは「母」ですが、テレビ版は4月7日、リサイタルは19日と10日ほどしか違わないのですが印象はだいぶ違います。テレビ版がダイナミックで切々とした情感が迫ってくるのに対し、リサイタル版は繊細でやさしい印象でした。テレビではシンプルな伴奏、リサイタルは大きな編成でしたからその影響もあったかもしれません。
2つ目のプログラムは1976年の日劇での「天地真理ショー 愛の渚」で、たしか8月30日の公演の録音だったと思います。その前8月7~9日は大阪 梅田コマ劇場でのショーがあり、9月8日には中野サンプラザで全国ツアーの初日がありました。したがって日劇公演ではそれぞれの公演と重なった曲目がありました。
そこで、それぞれ頭の中で思い浮かべながら比較して聴いているととても興味深かったのですが、特に印象的だったのは「びっこの仔犬」です。加山雄三さんの曲ですが、梅コマの時に比べすみずみまで表現が磨かれて素晴らしい名唱でした。同じく加山雄三さんの「旅人よ」は3公演すべてで歌っていますが、それぞれ特徴が違い、真理さんの<うた>を考えるうえでとても興味深いものでした。「陽射しの中で」は真理さんの声が繊細なのにバンドの音が大きく、ちょっと聴き取りにくくなっていたのが残念でしたが、中野サンプラザでの名唱につながる表現であったと思います。
後半のヒットメドレーは曲が進むにつれてぐんぐん盛り上がっていくのが伝わってきて、最後の「恋と海とTシャツと」そして「愛の渚」は真理さんのうたの魅力が全開でした。
以上の2つのプログラムも十分魅力的でしたが、この日のハイライトはやはり3つ目のプログラムでしょうか。
それは当時8ミリカメラで撮影された真理さん絶頂期の動画2本でした。録音の方はこの頃からカセットレコーダーが普及してきていたので最初の2本のようにある程度残されているのですが、ビデオはまだ普及していませんでしたから真理さんの動画と言うのはテレビからの録画を除いてほとんどありません。その意味で本当に貴重な記録です。
最初は1973年向ケ丘遊園での「空いっぱいの幸せ」キャンペーンイベント「真理ちゃん気球に乗って大空へ」でした。気球に乗った真理さんも出てきますが、その前後に行われた(であろう)ショーが中心でした。客席から見た感覚そのままで、テレビで見る真理さんより少し遠めなので、真理さんの身体全体の動きがよくわかりました。私(だけかもしれませんが)の印象としてテレビで見慣れていた真理さんより細めでしなやかだなあ、と思いました。テレビでは太って見えると真理さん自身が言っていましたがその通りですね。そして一番素敵だったのはその動きです。一見まだ少女のような初々しさを感じさせながら、長く深々とした礼や観客への対応、ステージ隅でカメラを構えるマスコミ陣への自然なポーズ、マイクコードの扱いを含めた歌唱時の身体表現など、押しも押されもしないトップスターとしての自信に満ちていて、貫録のようなものさえ感じました。今回の「ライブトンネル」のポスター(?)の写真はこの時のものと思いますので参考にご覧ください。
しかし何といってもすごかったのは74年夏頃の「アタック真理ちゃん」の動画です。まるでかぶりつきのような接近した位置から見上げるように撮られていて、テレビでも見たことの無いような臨場感ある真理さんが見られました。オープニングのテーマソングのところから魔法にかけられたように引き込まれてしまいましたが、特にアップで撮られた「恋と海とTシャツと」を歌う真理さんはよろこびが弾け出てくるような生き生きとした表情で、歌そのものとも一体化して見たこともないようなオーラを発していました。さくら貝掲示板に撮影者ご本人がフェイスブックにアップした写真が出ていますが、静止画でもその一端は感じ取れるのではないでしょうか。
ともかくこれは真理さん絶頂期の魅力を余すところなく伝えていて、これを見れば、当時、真理さんが日本中の人々から愛された理由が誰にも納得されるでしょう。
当時の8ミリフィルムは3分程度しか連続撮影できなかったそうで、この動画も3人がかりでフィルムを次々取り替えながら撮ったのだそうです。またカセットレコーダーでの録音もマイクを分解して胸ポケットにおさめるなど大変な苦労をされたようです。今回の「ライブトンネル」は私の予想をはるかに超えた素晴らしいものでしたが、それはこうした大変な苦労をしながら録音、撮影をし、その貴重な記録を快く提供してくださった方々、企画、会場設定、運営を担ってくださったスタッフの皆様のおかげであることは言うまでもありません。深く感謝いたします。
そして動画の最後にちらっと見えたのですが、次回(あるいはその次)の「ライブトンネル」は、動画は無いものと諦めていたあの舞台がついに登場するようです。楽しみに待ちましょう。
◎8月1日(土)、22日(土) FM軽井沢 午後4時~5時 『軽井沢発!太田忠の経済・金融“縦横無尽”』で<天地真理特集 第3回、第4回>があります
◎7月25日(土) NHKFM 「歌謡スクランブル」(13:00~14:00)は「天地真理作品集」です。シングル以外のオリジナル、カバーも含まれます。
※リクエスト情報
FMしばたはhttp://www.agatt769.co.jp/index.htmlから。
NHKFM「ミュージックプラザ」(月曜)8月3日は「夏祭りの昭和歌謡」、24日は井上陽水、31日は「夏の終わりのリクエストスペシャル」です。他の日や特集に関係のないリクエストも可能です。
リクエストを出す時、「天地真理特集をお願いします」という要望を書き添えましょう。
アーカイブ(過去記事)へ 「空いっぱいの幸せ」へ
コメントは掲載までに多少時間がかかることがあります。しばらくお待ちください。
最初のプログラムは1974年の浅草国際劇場での公演から「ロックの真理ちゃん」、そして75年の中野サンプラザでの「天地真理リサイタル」でした。真理さんのロックはこの国際劇場の後の大阪フェスティバルホールでの公演でも歌っており「48クラッシュ」はこのブログでも紹介していますので参考にご覧ください。
中野サンプラザでのリサイタルはホームページ「夏を忘れた海」のパンフレットで曲目がわかります。「ライブトンネル」ではすべてを聴けたわけではありませんが、「我がよき友よ」はドリームランドショーでも歌っていますし、「母」は私がYoutubeにアップしたテレビスタジオでの歌もありますから参考にしてください。
私が最も印象的だったのは「母」ですが、テレビ版は4月7日、リサイタルは19日と10日ほどしか違わないのですが印象はだいぶ違います。テレビ版がダイナミックで切々とした情感が迫ってくるのに対し、リサイタル版は繊細でやさしい印象でした。テレビではシンプルな伴奏、リサイタルは大きな編成でしたからその影響もあったかもしれません。
2つ目のプログラムは1976年の日劇での「天地真理ショー 愛の渚」で、たしか8月30日の公演の録音だったと思います。その前8月7~9日は大阪 梅田コマ劇場でのショーがあり、9月8日には中野サンプラザで全国ツアーの初日がありました。したがって日劇公演ではそれぞれの公演と重なった曲目がありました。
そこで、それぞれ頭の中で思い浮かべながら比較して聴いているととても興味深かったのですが、特に印象的だったのは「びっこの仔犬」です。加山雄三さんの曲ですが、梅コマの時に比べすみずみまで表現が磨かれて素晴らしい名唱でした。同じく加山雄三さんの「旅人よ」は3公演すべてで歌っていますが、それぞれ特徴が違い、真理さんの<うた>を考えるうえでとても興味深いものでした。「陽射しの中で」は真理さんの声が繊細なのにバンドの音が大きく、ちょっと聴き取りにくくなっていたのが残念でしたが、中野サンプラザでの名唱につながる表現であったと思います。
後半のヒットメドレーは曲が進むにつれてぐんぐん盛り上がっていくのが伝わってきて、最後の「恋と海とTシャツと」そして「愛の渚」は真理さんのうたの魅力が全開でした。
以上の2つのプログラムも十分魅力的でしたが、この日のハイライトはやはり3つ目のプログラムでしょうか。
それは当時8ミリカメラで撮影された真理さん絶頂期の動画2本でした。録音の方はこの頃からカセットレコーダーが普及してきていたので最初の2本のようにある程度残されているのですが、ビデオはまだ普及していませんでしたから真理さんの動画と言うのはテレビからの録画を除いてほとんどありません。その意味で本当に貴重な記録です。
最初は1973年向ケ丘遊園での「空いっぱいの幸せ」キャンペーンイベント「真理ちゃん気球に乗って大空へ」でした。気球に乗った真理さんも出てきますが、その前後に行われた(であろう)ショーが中心でした。客席から見た感覚そのままで、テレビで見る真理さんより少し遠めなので、真理さんの身体全体の動きがよくわかりました。私(だけかもしれませんが)の印象としてテレビで見慣れていた真理さんより細めでしなやかだなあ、と思いました。テレビでは太って見えると真理さん自身が言っていましたがその通りですね。そして一番素敵だったのはその動きです。一見まだ少女のような初々しさを感じさせながら、長く深々とした礼や観客への対応、ステージ隅でカメラを構えるマスコミ陣への自然なポーズ、マイクコードの扱いを含めた歌唱時の身体表現など、押しも押されもしないトップスターとしての自信に満ちていて、貫録のようなものさえ感じました。今回の「ライブトンネル」のポスター(?)の写真はこの時のものと思いますので参考にご覧ください。
しかし何といってもすごかったのは74年夏頃の「アタック真理ちゃん」の動画です。まるでかぶりつきのような接近した位置から見上げるように撮られていて、テレビでも見たことの無いような臨場感ある真理さんが見られました。オープニングのテーマソングのところから魔法にかけられたように引き込まれてしまいましたが、特にアップで撮られた「恋と海とTシャツと」を歌う真理さんはよろこびが弾け出てくるような生き生きとした表情で、歌そのものとも一体化して見たこともないようなオーラを発していました。さくら貝掲示板に撮影者ご本人がフェイスブックにアップした写真が出ていますが、静止画でもその一端は感じ取れるのではないでしょうか。
ともかくこれは真理さん絶頂期の魅力を余すところなく伝えていて、これを見れば、当時、真理さんが日本中の人々から愛された理由が誰にも納得されるでしょう。
当時の8ミリフィルムは3分程度しか連続撮影できなかったそうで、この動画も3人がかりでフィルムを次々取り替えながら撮ったのだそうです。またカセットレコーダーでの録音もマイクを分解して胸ポケットにおさめるなど大変な苦労をされたようです。今回の「ライブトンネル」は私の予想をはるかに超えた素晴らしいものでしたが、それはこうした大変な苦労をしながら録音、撮影をし、その貴重な記録を快く提供してくださった方々、企画、会場設定、運営を担ってくださったスタッフの皆様のおかげであることは言うまでもありません。深く感謝いたします。
そして動画の最後にちらっと見えたのですが、次回(あるいはその次)の「ライブトンネル」は、動画は無いものと諦めていたあの舞台がついに登場するようです。楽しみに待ちましょう。
◎8月1日(土)、22日(土) FM軽井沢 午後4時~5時 『軽井沢発!太田忠の経済・金融“縦横無尽”』で<天地真理特集 第3回、第4回>があります
◎7月25日(土) NHKFM 「歌謡スクランブル」(13:00~14:00)は「天地真理作品集」です。シングル以外のオリジナル、カバーも含まれます。
※リクエスト情報
FMしばたはhttp://www.agatt769.co.jp/index.htmlから。
NHKFM「ミュージックプラザ」(月曜)8月3日は「夏祭りの昭和歌謡」、24日は井上陽水、31日は「夏の終わりのリクエストスペシャル」です。他の日や特集に関係のないリクエストも可能です。
リクエストを出す時、「天地真理特集をお願いします」という要望を書き添えましょう。
アーカイブ(過去記事)へ 「空いっぱいの幸せ」へ
コメントは掲載までに多少時間がかかることがあります。しばらくお待ちください。