秘蔵ライブ(12) 夕陽のスケッチ

秘蔵ライブシリーズ、今回は「夕陽のスケッチ」です。
音源は1976年の初めごろだと思いますが、毒蝮三太夫さんが司会をしていたラジオ番組で「今月の歌」として歌っていたものです。
少し前なら何もしなくても軽々とベストテン1位を獲得できた真理さんが、こういうどちらかというとマイナーな番組で新人の売込みのように「今月の歌」を歌っているというのは私たちには少し悲しいです。しかし真理さんは(ここには収録していませんが)会話の中でもそんなそぶりを少しも見せず誠実に応対しています。

ただ普通の歌謡番組ではないのでいろいろの人がいるのでしょうが、聴衆の態度が最悪です。大きな声はかかるが暖かい声援という感じではありません。歌には何の関心もなくてんでに品のない蛮声を張り上げている感じです。もし私だったらへそを曲げて帰ってしまうでしょう。

しかし真理さんはそんな最悪の環境の中で、何事もないかのようにひたすら自分のうたに集中して歌っていきます。受信状態も良くなく音は鮮明とは言えませんが、雑音に惑わされず真理さんの歌声だけにじっと耳を傾ければ、奇跡のようなうたが聴こえてくるはずです。



最初は普段のうたとそれほど変わりないのですが、「私の心は」のあたりから空気が変わってくるのがわかります。特に2番に入ると、まるで何かに取りつかれたように、ぐんぐん心の奥底に降りていくようなうたになっていきます。声は完全にコントロールされて、一つ一つの言葉が繊細な陰影で刻みだされていきます。たとえば「心の中の」の最初の「の」がスッと影をおび、ほんのわずかの間(ま)をおいて、少し明るさを増して、しかし抑え気味に「中の」と歌う、このほんの短いフレーズでひそやかな心のときめきが見事に表現されているのです。これは真理さんのすべてのうたの中でも指折りのうただと私は思っています。

たしかにかつてのような人気はここにはありません。しかし、どんな環境でも自分自身の歌の世界をつくりあげることができるようになった真理さんを見ることができます。それが数か月後の「私は天地真理」コンサートの名唱へとつながっていくのです。




※リクエスト情報

FMしばたhttp://www.agatt769.co.jp/index.htmlから。

NHKFM「ミュージックプラザ」(月曜)3月31日は「ライブ・スペシャル」(ライブ音源特集)、4月7日は「花の昭和歌謡」、21日は「春はうららかリクエストスペシャル」、27日は「連休前のリクエストスペシャル」です。他の日や特集に関係のないリクエストも可能です。

リクエストを出す時、「天地真理特集をお願いします」という要望を書き添えましょう。

FM軽井沢「天地真理ミュージックコレクション」へは天地真理オフィシャルウェブサイトの「FM放送」へ。


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