真理さんの初出演映画
ちっちゃい私さんのツィートで知りましたが、先頃「愛ってなんだろ」を放映してくれた<衛星劇場>で、「めまい」という映画が10月に放映されるようです。詳しい日程はHPをご覧ください。
「めまい」という映画は1971年の斎藤耕一監督の作品で、当時ヒットを連発していた辺見マリ主演の歌謡映画です。この映画についてはこちらで詳しく知ることができます。
実はちっちゃい私さんも触れておられるように、この映画は天地真理さんが初めて出演した映画なのです。もちろんデビュー前で「斉藤マリ」の名で出ています。どんな役かはネタバレになるのでここでは触れませんが、いわゆる”ちょい役”で本格的な出演というわけではありません。どうしてこの映画に出ることになったのかというと、女優天路圭子さんとの関係について触れなければなりません。
真理さんと天路圭子さんの関係については塩崎雪生さんの天地真理研究書「氷の福音」に詳しく述べられています。(第14章 ちいさなアクロバット 170ページ~) お二人は、真理さんが高校を卒業しヤマハのヴォーカルスクールで学んでいた1970年の夏、成城の友人の洋品店を訪れた天路さんが客として来ていた真理さんを見て「なんてステキな笑顔」とすっかり惹かれ喫茶店に誘ったのが始まりだったようです。その後、真理さんは天路さんの誘いを受けて天路さんの経営するスナック『モン・ルポ』でアルバイトを始めます。時にはギターを弾きながら歌を歌っていたようで、「小さな私」(「水色の恋」原曲)はお客も一緒に歌うほどだったそうです。さらに、帰りが遅くなること、座間の自宅は遠かったことから、天路さんの計らいで天路さんのマンションでもう一人の同僚と3人での共同生活をおくることになります。天路さんのスナックは会員制で会員には芸能関係者が多く、天路さんはそうした人脈も生かして真理さんにビクターとCBSソニーのオーディションを受けさせ、両方とも合格したのでより熱心だったCBSソニー入りを決め、さらに中曽根ディレクターを介して渡辺プロに入れることになりました。まさに芸能界入りの道筋をつけてくれた恩人ですね。(※)
【「氷の福音」は塩崎研究所で販売しています。メールは
shiolabo@yahoo.co.jpです。私の紹介記事はこちらです。】
では映画「めまい」とどういう関係があるかというと、この天路圭子さんは斎藤耕一監督の奥さんで、ご自身も出演していたのです。そういう関係で全く素人の真理さんがこの映画に出ることになったのです。(なお天路さんの本名は監督と同じですから「斎藤」だったので、お客などには真理さんを姪と紹介していたようです)
天路さんと真理さんとの関係は当時の週刊誌も報じていましたが、渡辺プロの公式の経歴では全く触れていないので、ファンの人でも知らない人は意外と多いのではないでしょうか。お二人はデビュー後はほとんど会わなかったようですから、芸能界の複雑な事情があったのかもしれません。それだけにこの映画は歌手を目指して様々な努力をしていた真理さんの当時の姿を垣間見ることができる作品と言えるかもしれません。
また、この映画にはスクールメイツのメンバーとして後のキャンディーズの田中好子さんや藤村美樹さんの顔も見られるようで、主役の辺見マリさんがいわゆるお色気歌謡でヒットをとばし、”大人”がヘゲモニーを持っていた当時の歌謡曲を代表するとすれば、わずか1年後、この映画の端役である真理さんやキャンディーズが一線に躍り出て、歌謡曲のヘゲモニーが若者へと移行していったことを考えると、実に興味深い映画と言えます。
私もこの映画は見たことがないのですが、なかなか見る機会がないと思いますから、見られる環境にある方はご覧になってみてください。
※渡辺プロが公式に発表している経歴では、TBSの「ヤング720」に出演して歌う真理さんをテレビで見たCBSソニーの中曽根さんが真理さんに電話をしてきたのが歌手デビューのきっかけとしています。 すると天路さんの話とは矛盾するように思えます。実際はどうだったのでしょうか?
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「めまい」という映画は1971年の斎藤耕一監督の作品で、当時ヒットを連発していた辺見マリ主演の歌謡映画です。この映画についてはこちらで詳しく知ることができます。
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真理さんと天路圭子さんの関係については塩崎雪生さんの天地真理研究書「氷の福音」に詳しく述べられています。(第14章 ちいさなアクロバット 170ページ~) お二人は、真理さんが高校を卒業しヤマハのヴォーカルスクールで学んでいた1970年の夏、成城の友人の洋品店を訪れた天路さんが客として来ていた真理さんを見て「なんてステキな笑顔」とすっかり惹かれ喫茶店に誘ったのが始まりだったようです。その後、真理さんは天路さんの誘いを受けて天路さんの経営するスナック『モン・ルポ』でアルバイトを始めます。時にはギターを弾きながら歌を歌っていたようで、「小さな私」(「水色の恋」原曲)はお客も一緒に歌うほどだったそうです。さらに、帰りが遅くなること、座間の自宅は遠かったことから、天路さんの計らいで天路さんのマンションでもう一人の同僚と3人での共同生活をおくることになります。天路さんのスナックは会員制で会員には芸能関係者が多く、天路さんはそうした人脈も生かして真理さんにビクターとCBSソニーのオーディションを受けさせ、両方とも合格したのでより熱心だったCBSソニー入りを決め、さらに中曽根ディレクターを介して渡辺プロに入れることになりました。まさに芸能界入りの道筋をつけてくれた恩人ですね。(※)
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shiolabo@yahoo.co.jpです。私の紹介記事はこちらです。】
では映画「めまい」とどういう関係があるかというと、この天路圭子さんは斎藤耕一監督の奥さんで、ご自身も出演していたのです。そういう関係で全く素人の真理さんがこの映画に出ることになったのです。(なお天路さんの本名は監督と同じですから「斎藤」だったので、お客などには真理さんを姪と紹介していたようです)
天路さんと真理さんとの関係は当時の週刊誌も報じていましたが、渡辺プロの公式の経歴では全く触れていないので、ファンの人でも知らない人は意外と多いのではないでしょうか。お二人はデビュー後はほとんど会わなかったようですから、芸能界の複雑な事情があったのかもしれません。それだけにこの映画は歌手を目指して様々な努力をしていた真理さんの当時の姿を垣間見ることができる作品と言えるかもしれません。
また、この映画にはスクールメイツのメンバーとして後のキャンディーズの田中好子さんや藤村美樹さんの顔も見られるようで、主役の辺見マリさんがいわゆるお色気歌謡でヒットをとばし、”大人”がヘゲモニーを持っていた当時の歌謡曲を代表するとすれば、わずか1年後、この映画の端役である真理さんやキャンディーズが一線に躍り出て、歌謡曲のヘゲモニーが若者へと移行していったことを考えると、実に興味深い映画と言えます。
私もこの映画は見たことがないのですが、なかなか見る機会がないと思いますから、見られる環境にある方はご覧になってみてください。
※渡辺プロが公式に発表している経歴では、TBSの「ヤング720」に出演して歌う真理さんをテレビで見たCBSソニーの中曽根さんが真理さんに電話をしてきたのが歌手デビューのきっかけとしています。 すると天路さんの話とは矛盾するように思えます。実際はどうだったのでしょうか?
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