聴き比べ あの素晴らしい愛をもう一度
※ 下に<リクエスト速報>追加しました
今回は聴き比べシリーズですが、最近聴き比べがしにくくなっています。というのは使える動画がYoutubeからどんどん削除されてしまっているからです。
聴き比べシリーズは通常”本家”と天地真理さんのほかに数人の方の歌唱を比較しています。ところが以前あったはずの動画が消えていてバラェティーに乏しくなってしまうのです。これまで聴き比べシリーズで紹介した動画もすでにかなり見られなくなっていますね。
今回の「あの素晴しい愛をもう一度」も以前はたくさんの歌手の方の動画があったと思うのですが、すっかり減ってしまいました。それでも他の曲よりは多かったので何とか形が整いました。でも次はできるのかちょっと不安です。
さて、「あの素晴しい愛をもう一度」は北山修作詞、加藤和彦作曲でその2人で歌ったのがオリジナル(”本家”)になります。シングルは1971年4月に発売されています。「音楽」の教科書にも載り、合唱曲としても親しまれるなど、フォークソングの中で最も親しまれている曲の一つと言ってもいいのではないでしょうか。
それではオリジナルの北山修、加藤和彦で聴いてください。
まさに“フォーク”という歌い方ですね。素人っぽくて素朴です。当時、若者たちは”歌謡曲”の玄人っぽい歌い方、つまり手あかにまみれたような歌い方に嫌悪感を持つ人が多く、こういう素朴な歌い方にむしろ親しみを感じたのですね。
ただ自分(たち)が作った歌を歌う場合、オリジナリティーは自分にあると考えてしまうので、客観化できない傾向がありました。自分の気持ちのままに自然に歌うのが一番と考えてしまいがちなのです。曲そのものはオリジナリティーがあるのですが、<うた>は磨かれていないことが多かったのではないでしょうか。
カバーの最初はこれです。本田路津子、岡崎友紀、木之内みどりが一番ずつ歌います。
本田さんについては後で触れますので、まず岡崎友紀さんから。彼女は天地真理さん登場以前のアイドルNo1でしたが、もともと歌手ではなく俳優系ですから歌はあまり上手とは言えません。でも聴いていると当時の生き生きとした演技が目に浮かびますね。(蛇足ですが、ミュージカル「君よ知るや南の国」で友紀さんの愛犬が真理さんと共演しました)
木之内みどりさんはアイドル歌手ですが、歌はあまりヒットせずブロマイドやグラビアなどで人気のあった人のようです。
この歌もまさに”アイドルの歌”という感じですが、Youtubeにはこの人の歌うカバー曲がいくつも出ていて、聴いてみると意外にいいところがあります。
当時のアイドルが出てきたついでに、今のアイドルのうたも聴いてみましょう。ももいろクローバーZ(+南こうせつ)です。(音が小さいので音量を上げて聴いてください)
失礼ながら幼稚園か小学校という感じですね。どうしてこんなに幼稚な声なのでしょう。でも楽しそうですね。
次はチェリッシュと天地真理さんの組み合わせです。
真理さんについては後で触れますからチェリッシュについて。さすがに悦ちゃんの声は透きとおってきれいですし、最初のところは独特の泣き節を抑えて丁寧に淡々と歌っているので悲しみが自然に心に浸みてきます。しかしその後やはり泣き節が目立つようになり、表情が濃くなってきます。またテンポが遅くリズムも重いので、この音楽自体が持っている躍動感がほとんど伝わってきません。ですから部分をとれば透明な悲しみなのですが、ずっと聴いていると心がどんどん沈んでいく感じがしてきます。とはいえ特に2番などはとても見事で、この曲の一つのすぐれた表現であることは確かです。
次は先ほど後回しにした本田路津子さんが全曲を歌っています。
あの素晴らしい愛をもう一度・・本田路津子 投稿者 prdlpp
チェリッシュとは対照的に力があり躍動的です。声はみずみずしい美しさがあり、本田さんらしい生き生きとして情感豊かなうたですね。ただ、曲全体が流れすぎて表情がやや単調な印象もあります。
それではいよいよ天地真理さんです。hiroIGA51さんの作品で、無音のあと15秒くらいから歌が始まります。
ひそやかに始まる最初のワンフレーズを聴いただけで心が引き込まれてしまいますね。たとえば「想い出」という言葉のやさしさ、なつかしさは他の誰にもないものです。
3番などまさに風が流れていくように一言一言刻々と表情が変化し、聴く者を陶然とさせます。私には奇跡のようなうたと思えます。
最後に番外ということでクラシックの歌手で聴いてみましょう。日本を代表するソプラノ歌手中丸美千繪さんです。
さすがですね。まるでオペラの一場面のようです。中丸さんの歌唱はもちろんですが、編曲の力が大きいですね。編曲は宮川彬良さん、つまりミュージカル「君よ知るや南の国」の作曲者宮川泰さんの息子さんです。
番外としたのは言葉も変えてあり、曲想も全く違って、これはもう別の曲だと思ったからです。それにしてもオリジナルのうたからこんな曲想を思いつくというのはすごいことですね。
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リクエスト速報です。
6月1日(月)NHKFM「ミュージックプラザ」で『虹をわたって』がかかりました。
この日の特集は「想い出の70年代邦画ヒット」でしたので、大ヒット曲『虹をわたって』というより、映画「虹をわたって」の主題歌『虹をわたって』ということですね。
リクエストは埼玉県のゲッシーさん、大阪のぱんださん、函館の宮園まさはるさんの3名の方でした。ミュージックプラザでは4月27日にかかったばかりですからほぼ一か月間隔です。テーマがうまく合ったということもありますが、複数の人がリクエストすればかかる確率は増えますね。
映画そのものも「ドリバス」で上映候補入りしたということですね。これも皆さんの投票の力です。やはり動けば結果がついてくるということでしょう。
6月20日、27日 FM軽井沢 午後4時~5時 『軽井沢発!太田忠の経済・金融“縦横無尽”』で<天地真理特集>
※リクエスト情報
FMしばたはhttp://www.agatt769.co.jp/index.htmlから。
NHKFM「ミュージックプラザ」(月曜)6月8日は「松山千春特集」、15日は「昭和のヒットメーカー ちあき哲也」、22日は「沢田研二70sヒット」です。他の日や特集に関係のないリクエストも可能です。
リクエストを出す時、「天地真理特集をお願いします」という要望を書き添えましょう。
アーカイブ(過去記事)へ 「空いっぱいの幸せ」へ
コメントは掲載までに多少時間がかかることがあります。しばらくお待ちください。
今回は聴き比べシリーズですが、最近聴き比べがしにくくなっています。というのは使える動画がYoutubeからどんどん削除されてしまっているからです。
聴き比べシリーズは通常”本家”と天地真理さんのほかに数人の方の歌唱を比較しています。ところが以前あったはずの動画が消えていてバラェティーに乏しくなってしまうのです。これまで聴き比べシリーズで紹介した動画もすでにかなり見られなくなっていますね。
今回の「あの素晴しい愛をもう一度」も以前はたくさんの歌手の方の動画があったと思うのですが、すっかり減ってしまいました。それでも他の曲よりは多かったので何とか形が整いました。でも次はできるのかちょっと不安です。
さて、「あの素晴しい愛をもう一度」は北山修作詞、加藤和彦作曲でその2人で歌ったのがオリジナル(”本家”)になります。シングルは1971年4月に発売されています。「音楽」の教科書にも載り、合唱曲としても親しまれるなど、フォークソングの中で最も親しまれている曲の一つと言ってもいいのではないでしょうか。
それではオリジナルの北山修、加藤和彦で聴いてください。
まさに“フォーク”という歌い方ですね。素人っぽくて素朴です。当時、若者たちは”歌謡曲”の玄人っぽい歌い方、つまり手あかにまみれたような歌い方に嫌悪感を持つ人が多く、こういう素朴な歌い方にむしろ親しみを感じたのですね。
ただ自分(たち)が作った歌を歌う場合、オリジナリティーは自分にあると考えてしまうので、客観化できない傾向がありました。自分の気持ちのままに自然に歌うのが一番と考えてしまいがちなのです。曲そのものはオリジナリティーがあるのですが、<うた>は磨かれていないことが多かったのではないでしょうか。
カバーの最初はこれです。本田路津子、岡崎友紀、木之内みどりが一番ずつ歌います。
本田さんについては後で触れますので、まず岡崎友紀さんから。彼女は天地真理さん登場以前のアイドルNo1でしたが、もともと歌手ではなく俳優系ですから歌はあまり上手とは言えません。でも聴いていると当時の生き生きとした演技が目に浮かびますね。(蛇足ですが、ミュージカル「君よ知るや南の国」で友紀さんの愛犬が真理さんと共演しました)
木之内みどりさんはアイドル歌手ですが、歌はあまりヒットせずブロマイドやグラビアなどで人気のあった人のようです。
この歌もまさに”アイドルの歌”という感じですが、Youtubeにはこの人の歌うカバー曲がいくつも出ていて、聴いてみると意外にいいところがあります。
当時のアイドルが出てきたついでに、今のアイドルのうたも聴いてみましょう。ももいろクローバーZ(+南こうせつ)です。(音が小さいので音量を上げて聴いてください)
失礼ながら幼稚園か小学校という感じですね。どうしてこんなに幼稚な声なのでしょう。でも楽しそうですね。
次はチェリッシュと天地真理さんの組み合わせです。
真理さんについては後で触れますからチェリッシュについて。さすがに悦ちゃんの声は透きとおってきれいですし、最初のところは独特の泣き節を抑えて丁寧に淡々と歌っているので悲しみが自然に心に浸みてきます。しかしその後やはり泣き節が目立つようになり、表情が濃くなってきます。またテンポが遅くリズムも重いので、この音楽自体が持っている躍動感がほとんど伝わってきません。ですから部分をとれば透明な悲しみなのですが、ずっと聴いていると心がどんどん沈んでいく感じがしてきます。とはいえ特に2番などはとても見事で、この曲の一つのすぐれた表現であることは確かです。
次は先ほど後回しにした本田路津子さんが全曲を歌っています。
あの素晴らしい愛をもう一度・・本田路津子 投稿者 prdlpp
チェリッシュとは対照的に力があり躍動的です。声はみずみずしい美しさがあり、本田さんらしい生き生きとして情感豊かなうたですね。ただ、曲全体が流れすぎて表情がやや単調な印象もあります。
それではいよいよ天地真理さんです。hiroIGA51さんの作品で、無音のあと15秒くらいから歌が始まります。
ひそやかに始まる最初のワンフレーズを聴いただけで心が引き込まれてしまいますね。たとえば「想い出」という言葉のやさしさ、なつかしさは他の誰にもないものです。
3番などまさに風が流れていくように一言一言刻々と表情が変化し、聴く者を陶然とさせます。私には奇跡のようなうたと思えます。
最後に番外ということでクラシックの歌手で聴いてみましょう。日本を代表するソプラノ歌手中丸美千繪さんです。
さすがですね。まるでオペラの一場面のようです。中丸さんの歌唱はもちろんですが、編曲の力が大きいですね。編曲は宮川彬良さん、つまりミュージカル「君よ知るや南の国」の作曲者宮川泰さんの息子さんです。
番外としたのは言葉も変えてあり、曲想も全く違って、これはもう別の曲だと思ったからです。それにしてもオリジナルのうたからこんな曲想を思いつくというのはすごいことですね。
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リクエスト速報です。
6月1日(月)NHKFM「ミュージックプラザ」で『虹をわたって』がかかりました。
この日の特集は「想い出の70年代邦画ヒット」でしたので、大ヒット曲『虹をわたって』というより、映画「虹をわたって」の主題歌『虹をわたって』ということですね。
リクエストは埼玉県のゲッシーさん、大阪のぱんださん、函館の宮園まさはるさんの3名の方でした。ミュージックプラザでは4月27日にかかったばかりですからほぼ一か月間隔です。テーマがうまく合ったということもありますが、複数の人がリクエストすればかかる確率は増えますね。
映画そのものも「ドリバス」で上映候補入りしたということですね。これも皆さんの投票の力です。やはり動けば結果がついてくるということでしょう。
6月20日、27日 FM軽井沢 午後4時~5時 『軽井沢発!太田忠の経済・金融“縦横無尽”』で<天地真理特集>
※リクエスト情報
FMしばたはhttp://www.agatt769.co.jp/index.htmlから。
NHKFM「ミュージックプラザ」(月曜)6月8日は「松山千春特集」、15日は「昭和のヒットメーカー ちあき哲也」、22日は「沢田研二70sヒット」です。他の日や特集に関係のないリクエストも可能です。
リクエストを出す時、「天地真理特集をお願いします」という要望を書き添えましょう。
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