リクエスト この一年

今年もあとわずかとなりました。
この一年、真理さん作曲の「子守歌母の愛」をはじめとするCD「天地 真理 オリジナル・ミュージック・コレクション」の発売、それをきっかけとしたクラシックユニットの結成、TBS真理ちゃんシリーズ以来の冠番組FM軽井沢「天地真理ミュージックコレクション」の開始などうれしい企画が実現しました。
ファンクラブ事務局の創意ある企画とご努力に感謝したいと思います。

私自身のことで言えば本編HP「空いっぱいの幸せ」の最後に残されたテーマがなかなか進まず、来年送りとなってしまいました。しかし、このブログの今年最初の記事で呼びかけた「リクエスト大作戦」については一定の成果があったかなと思っています。

私が主に取り組んだNHKFM「ミュージックプラザ」では今年に入って「さよならこんにちわ」「空いっぱいの幸せ」「レイン・ステイション」「虹をわたって」「木枯らしの舗道」と5曲かけてもらえました。この番組では過去7年間に真理さんの歌は17回かかっていますが、2005年10月3日の「天地真理特集」だけで7曲かかっていますから、普通のリクエストとしては10曲だけです。1年に1~2回のペースですから、今年は突出して多かったと言えます。しかも「虹をわたって」以外は過去にかかったことのない曲ですから、定番だけでない真理さんのうたの魅力を少しは多くの人に聴いてもらえたのではないかと思います。特にスリーピーさんのリクエストした「レイン・ステイション」はシングル以外の曲ですから画期的と言えます。sakuraさんのリクエストも2曲、私が3曲かけてもらいました。そのほか存じ上げないお二人のリクエストがありました。(重複あり)
もちろん採用されなかったけれどリクエストしていただいた方もあるでしょうし、私の呼びかけよりずっと前からいろいろの番組にリクエストを続けてきた方やそれぞれの地元の放送局にこつこつリクエストを続けている方も多いと思います。

そういう中で1、2の3ちゃんさんが呼びかけて始まったFMしばた「ご機嫌ラジオ769」への取り組みは画期的なものでした。真理さんファンの中だけの自己完結的な関係ではなく、ご自分のいちばん身近な生活圏の地域放送局FMしばたを通して天地真理さんを知らない人たちに真理さんの歌を聴いてもらおうという取り組みです。
FMしばたは電波の届く小さな地域しか聴くことができませんが、1、2の3ちゃんさんの掲示板やTwitterを通した呼びかけに全国各地の皆さんがこたえてリクエストやメッセージを寄せてくれました。ただ、FMしばたはFM軽井沢とちがってサイマルラジオ網にもまだ加盟していないのでインターネットで聴くこともできません。地域外では今のところ少し遅れて録音で聴くしか方法がありません。そこで1、2の3ちゃんさんが苦労して録音したものをスリーピーさんと私で手分けしてお聴きいただいています。

最初の10月8日の様子は「もの想う季節」(12月5日 通算273号)で聴けます。FMしばたを聴けないはずの地域の人から天地真理さんへのリクエストがたくさん届いてパーソナリティの愛恵さんが戸惑っていますね。
11月5日の放送も「もの想う季節」(11月17日 通算266号)で聴くことができます。この日は真理さんの誕生日でしたが愛恵さんも真理さんの話題にすっかりなじんできてお祝いの言葉をかけてくれました。
11月19日の放送はこのブログですでに紹介しましたが、森光子さんへの追悼メッセージが読まれました。また愛恵さんの家族についての話も印象的です。

ここからが初公開ですが、最初に11月12、14日放送のものです。



南方熊楠菌類図譜さん(1,2の3ちゃんさん)のドライブの話から健康の話になって愛恵さんもカリウムのことをいろいろ話しています。そんな日常的な話題の後で「想い出のセレナーデ」が流れます。

次は11月26日、12月10日放送のものです.



11月26日と12月10日の分はクミさんのリクエストです。クミさんは「天地真理 爛漫」という楽しいブログを開いておられ、この番組にもたびたびリクエストをされています。独特の話法に愛恵さんも苦労されていますが、元気でかわいいクミさんのメッセージを楽しんでいる感じですね。この中でも「天地真理さん」ではなくただの「真理さん」で通じてしまっていますね。すっかり“おなじみの人”になっています。

実は26日の分はその後、南方熊楠菌類図譜さんからの、FMしばた15周年のお祝いと15年来のリスナーとして14日の「ふたりの日曜日」など真理さんの歌もたびたびリクエストしてくださっているこの番組の常連の方への感謝のメッセージが読み上げられ、しかもその時たまたまご本人がスタジオに遊びに来ていて、あたたかいメッセージに思わず涙ぐむと言う場面がありました。まったく面識のない方たちなのに私まで何か胸が熱くなるようなすてきな場面なのですが、いきものがかりの「ありがとう」が流れていたため著作権の問題に引っかかってYoutubeからはねられてしまいました。「こんなことまで!」と私は思うのですが、しかたなくそこはカットしました。
しかしこの部分を聴いていて、こういう顔の見える関係というのは小さな地域放送局だからこそだなぁと思いました。大きな放送局のスマートな番組にはないあたたかさを感じます。
FMしばたでは、そんな人と人の関係の中で、真理さんの歌が最近の歌と同じようにごく日常的に流れるという状況が生まれてきているのですね。

今やFMしばたはFM軽井沢と並んで、日本で一番頻繁に真理さんの歌が聴ける放送局になっています。これは1,2の3ちゃんさんの心をこめた働きかけの結果です。もちろんそれに協力して遠い地域からもリクエストを寄せている皆さんの力です。それだけにこれからもこの状況を皆さんの力で支えてほしいと思います。同時に、同じようにはいかないかもしれないけれど、真理さんをめぐる状況をさらに前進させるために、自分ができることをあらためて考えていきたいものだと思いました。

年内の更新はこれで終わりです。今年もお読みいただきありがとうございました。
よいお年をお迎えください。

※ NHKFM「ミュージックプラザ」1月7日は「番組350回記念
  リクエストスペシャル」、1月21日は「楽器の昭和歌謡」です。
  特集に関係のないリクエストも可能です。


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歌は〈美〉です

天地真理ファンクラブのオフィシャルサイトの会員専用ページでは真理さんの肉声が聴ける「ファンクラブ通信」というものがあります。最近vol4が配信されましたので聴いてみました。今回は1月に行われた「酒井政利のJポップのあゆみ」に先立って収録された資料音源ということでした。本番での発言と同じことも多いので、おそらく酒井さんとの対話に向けて内容を整理する意味があったのではないかと思います。その中で真理さんは〈歌〉についてこう言っていました。(ファンクラブ会員のみの限定公開なので差し支えない程度に引用します)

「歌は美です。あとは心。きたないものが
 きれいになる。そして愛です」

これは真理さん自身の歌の本質を見事に述べていると思います。
モーツァルトは「音楽は常に人を楽しませるものでなければならない」と言っていましたが、真理さんにとって歌は美しいものでなければならないのです。真理さんのうたを現実感がないなどと評する人がいますが、現実を写すのが音楽ではありません。音楽は音楽自体の命がある。真理さんはそれを「きたないものがきれいになる」と表現しているのです。

たとえば、前にも取り上げたことのある「サルビアの花」について、私は本編「空いっぱいの幸せ」の各曲寸評でこう書いています。

この曲は「もとまろ」はじめ、たくさんの人が歌っている。「もとまろ」は悲劇性を持ちながらもフォークのシンプルさ、清潔感をもっている名唱だ。しかし作曲者の早川義夫はかなり違う歌い方をしているし、他の歌手もそれぞれ特徴がある。しかし、そういうかなりの幅がありながらも、(井上陽水を除けば)いずれも自分がストーリーの主人公となって〈哀しみ〉を歌っているという点では共通している。ところがこれらのうたを聴いた後、天地真理を聴くと、まったく違うのだ。彼女は「ぼく」にはならないし、そこに感情移入して泣いたりわめいたりはしない。彼女はひたすら音楽を美しく歌う。だから彼女のうたを聴いた時、まず心をとらえられるのはそのやさしさ、あたたかさなのだ。そしてそこに身を任せていくといつのまにか自然な〈哀しみ〉に浸されている。これが〈天地真理のうた〉なのだ。

今回、以前の記事になかった何人もの歌手(本田路津子、芹洋子、チェリッシュ等)も含めて改めて聴いてみましたが、天地真理さんの「サルビアの花」の魅力は圧倒的でした。他の歌手がどこかで感情を強く出して芝居じみてくるのに対し、真理さんの造形はまったく破綻がなく過度の感情を表に出すことはありません。彼女はストーリーを演じるのではなく、音楽の自由な展開に沿ってしく歌います。表面は明るいくらいにあたたかくやさしいのに、内には燃えるような生命力があり、一つ一つの言葉のデリケートだが豊かな表情を通して聴く者の心を揺さぶる。その表面の美しさを熱いが支え、悩み苦しむ者にあたたかく寄り添う()。
この曲をこんな風に歌った人は誰もいません。まさしく真理さん以外誰も歌えなかったうたです。

そして、今回の「ファンクラブ通信」で真理さん自身がこうしたうたのイメージをはっきりと持っていたことをあらためて知ることができました。
真理さんは当時の歌謡曲の世界で「うまい」とされた大げさにデフォルメされたり深刻で悲しげな歌いかたとは別の独自のうたの世界を創り出していったのです。

※この記事は真さんのブログ「Music Essays ++ by Shin」からヒントをいただきました。

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Author:ひこうき雲
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